「仮説と検証」の議論によって、心の奥底での真の意思疎通を図る

 真に心の奥底で意思疎通するには、「真の意思疎通は何故できないのか?」 に示した意思疎通を阻害する人間的な側面を排除する必要があります。
 しかし、普通に会話しているだけでは「真に心の奥底での意思疎通を図る」ことはできません。

1.何故そういう考えに至ったのかについて客観的に、それが生み出される過程を遡って捉える

 「真に心の奥底での意思疎通を図る」には、普通の会話以上に「相手とともに自分自身への内省を含めて、何故そういう考えに至ったのかについて客観的に、それが生み出される過程を遡って捉える」ことが必要です。

何故そういう考えに至ったのかについて客観的に捉えて、個々人の考え(思考)を生み出す段階に遡って “Wise Communication” を図る必要があります。

  1. 特に「デサイシブ・ トランスフォーメーション」の文脈では、以下のように「知の探索」と「知の深化」の過程を共有(思考方法を共有する、情報を共有する)して捉えることが必要です。
    • 社会貢献と長期的持続可能な収益拡大の双方向への「知の探索」と「知の深化」
      • 未来構想のための探索(先見的探索、発見的探索、生成探索、仮説と検証)
      • 未来構想実現のために深化(将来の持続可能な社会の発展への洞察、仮説と検証)
  2. それが生み出される過程を遡るためには、ものごとを「高く」「深く」「広く」「多様に」「懐疑的に」「社会的再帰性と内省」の視点から 思考(思考方法)を共有 することが必要となります。
  3. そして、こうしたことを踏まえて、更に、「目的を共有する」「直観を共有する」「変革を共有する」「実現を共有する」ことが必要になります。

「真に心の奥底での意思疎通を図る “Wise Communication”」 は、当社が提供する方法論 “Sestet Sharing Methods” ①目的を共有する②思考を共有する③直観を共有する④変革を共有する⑤実現を共有する⑥情報を共有する によって実現されます。

2.「仮説と検証」の議論によって真の意思疎通を図る

 しかし、人にはそれぞれに思いがあり、これだけでは、真に心の奥底で意思疎通することはできません。必ず、意見は対立するものです。
 とは言え、対立を恐れていてはものごとを先に進めるもとはできません。大事なことは、上記の「6つの共有」に基づいて明確になった「何故そういう考えに至ったのかについて客観的に、それが生み出される過程」によって『お互いの対立点』を整理して意図的にデザインすることです。

『「仮説と検証」の議論によって真の意思疎通を図る』とは、『お互いの対立点』 を解消することで実現されます。

 具体的には、人類が生み出した叡智によって実現することが可能です。なお、多数決も民主主義を支える合意形成の方法ですが、必ずしも「真の意思疎通を図る」ことだとは言い難い方法だと言えます。

  1. 二項対立と脱構築
  2. 「二項対立と脱構築」は国際会議においても、国政や地方行政の議論など、いたるところで見受けることができます。どんなに議論しても対立するばかりで結論が出ない場合には、先送りして状況変化を見ながら新たな対立点をデザインして再度結論を出そうという方法です。対立する主張がかけ離れて結論が出せないときは、法律などの共有する規範に従うということもあります。他に多く見受けられうのは「納得できる現実解」です。これは、国政においては政策と経済効果のバランス、行政においては金銭的補償などに相当します。

  3. 二律背反とアウフヘーベン(止揚)
  4.  最も良いと思われるのは「二律背反とアウフヘーベン(止揚)」です。両論の良いところを生かしつつ、対立点を解消しうる新たな知恵を出して解決することによって対立点を乗り越えることになります。社会の発展においても「二律背反とアウフヘーベン(止揚)」は不可欠な議論であると言えます。

  5. 即非の論理
  6.  ギリシア哲学以来[Aまたは¬A (あることが成り立つならその否定は成立しない、どちらかである)]という排中律や無矛盾律を前提としてきた私たちには[Aでもあり¬A]ということは奇妙に思えるかも知れません。しかし、現実の世界では、東洋思想である「即非の論理」の方がより広く受け容れられるようにも思えます。むしろ、[¬A]が成り立つからこそ[A]の成立が際立つこともあるのではないでしょうか。社会の発展においても、「より高い視点から全体を俯瞰して、他者を否定せず、本質的な論点で融和を図る」ことは、多様性を重視し社会的包摂を実現していくという意味で、極めて有意義な議論であると言えます。

 

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