実現を共有する

  • 実現を共有するとは、
    1. 自律し、内発的に、①積極果敢に挑戦する、②お互い様の思いで協働する、③切磋琢磨する という意識を共有し、実現に向けて進捗状況を共有していること。
  • 実現を共有することによって、
    1. 企業全体としての意識でものごとに取り組むようになる。
    2. 組織の壁を乗り越えて内発的に協働して成し遂げるようになる。
    3. 目的の実現を目指して創造的な組織になる。

「実現を共有する能力」については、ここをクリックして下さい。

 

1.実行、実践ではなく、最も大事なことは『実現すること』です

 日常生活やビジネスの場で「四の五の言わず、とにかく実行しろ」「実践あるのみ」という会話がなされることがしばしばあります。しかし、「実行する」「実践する」ことばかりが先走っても良い結果は生まれません。これでは、むしろ、「やればいいんだろう」「人から言われて行動する」という風潮を組織の中に埋め込んでしまうことにもつながりかねません。
大事なことは「何のために行動する」かであり「今ある問題を解決するという目的のために変革すること」の実現です

1.1.実行、実践から発想されることにより生じる問題点

  1. 有言実行(あるいは、不言実行)、言行一致、率先垂範、実践躬行という言葉がありますが、目的を実現するための行動であるべきです。
  2. 一方、実行や実践していることを過度に重視して管理した場合、観念的な規範を設定し、ルーティン化やマニュアル化を進めて、報連相で行動を縛って監視するようになり、組織は硬直化してしまいます。

1.2.実現を共有する際の問題点

  1. 人には様々なバイアスが働いています。「変革して問題を解決しよう」「目的とすることを実現しよう」と言っても、アインシュテルング効果もあり、生存者バイアス、正常性バイアス、現状維持バイアスが働くと「今あることの防御」に固執してしまいがちです。
  2. 社会的ジレンマ問題もあり、火中の栗を拾うようなことには率先垂範してまではしようとせず、人情的に目立つのも嫌だからと誰かが先に行う様子を見てからという気持ちにもなります。逆に、「便乗しよう」「勝ち馬に乗ろう」「うまい汁を吸おう」「漁夫の利を得よう」という心理が働いて「成果をただ乗り」「成果を横取り」する、ずる賢い人も現れるかも知れません。
  3. 「目的」や「変革」を強調するあまり、同調圧力で人の行動を促そうとすると、アイヒマン実験が示すように「服従の心理」「代理状態」に陥ってしまい、逆効果を生み出してしまう可能性もあります。
  4. 人には「やっかみ」や「もっぱら人の揚げ足をとる」といった心理も働き、邪魔はしないまでも、傍観者でいようと決め込んでしまうこともあります。

2.「実現を共有する」ことの問題点を解決する

 「実現を共有する」ということは、当たり前のように聞こえますが、上記のように、実は非常に難しいことです。そのためには「組織変革」が必要にもなるでしょう。具体的には、以下の改革が必要になります。

  1. 組織内にある問題点を心理面から分析し、創造的、自律的、内発的に分業して協働することに適した組織構造へと見直すことが必要になります。
  2. 個々人の資質として、Wise Communication に適し遂行しているかを評価する必要があります。
  3. 個々人の能力としては、“Dynamic Capability” 未来構想力、具現化駆動力 、“Organizational Capability” 変化適合力 、“Decisive Transformation capability for sustainability ” 企業力(社会影響力)、創造力(イノベーション力)、変革力(社会変革力)の側面から評価しなければなりません。
  4. デサイシブ・ トランスフォーメーション への貢献度、すなわち、①社会への貢献(社会問題の解決)、②長期的、持続的収益拡大、③社会から信頼される持続可能な競争優位性の確立の視点から評価しなければなりません。

2.1.人事評価制度をデザインする際の注意点

 ここで、評価する際には、以下の点に配慮することが求められています。

  1. その人なりのwell-beingに基づくレント(金銭面だけでなく、個々人の価値観を実現する生活の質や将来への不安の解消)に配慮したインセンティブでなければなりません
  2. 縦割り組織や事業、プロジェクトに固定されない企業全体としての上下双方向の エンゲージメント であり、創造的、自律的、内発的に分業して協働することに適した エンパワーメント となるようにする必要があります。
  3. 評価基準としては、“Well-being” を志向する組織文化と組織の中での働き方の評価モデルにあるように「働き甲斐」が感じられているかを勘案する必要があります。
  4. 「成果のただ乗り」「成果の横取り」といったフリーライディングを見抜いてマイナス評価する必要があります。
  5. 人を「人的資源」という観点からコストとして捉えるのではなく「価値を創造する組織能力を生み出す」という観点から人的資本として捉える必要があります。

2.2.「働き甲斐」のある働き方への配慮

 「働き甲斐」をどのように感じられているかは個々人の価値観にもよります。そのため、①社会や他者のためか、組織防衛(自分自身の保身)のためか、②ポジティブに受けとめられるか、苦役なのか、③未来創造に向かうのか、既存の既定業務をこなすのか、の3軸からみて、その人に合った評価をすることが重要です(上記2.1.人事評価制度をデザインする際の注意点 #3 参照)。

3.実現の状況を透明性を持って管理する 「実現を共有する」ことの実現

 「実現を共有する」を実現するということは、そもそも「実現の状況を透明性を持って管理する」ことに他なりません。
そこで、当社では、独自に社会視点に視座を高めたビジネスの計画立案から実施管理までの一連の過程を遂行するためのフレームワーク SONOSAKI PLANNING (TM) を開発しサービスとして提供しています。
 

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