- 情報を共有するとは、
- 情報の非対称性を排し、オープンに上下双方向/組織横断で情報を共有して、ビジネスエコシステム全体の情報収集、知の探索と知の深化をしていること。
- 情報を共有することにより、
- 組織のいたる所から情報を収集することができるようになる。
- 情報の非対称性を解消することにより、共通の情報によって意思疎通を図ることができるようになる。
- 恣意的に加工された情報ではなく、現実を捉えた生の新鮮な情報に基づいて行動できるようになる。
- 誰もが適切に判断して即時に行動することができるようになる。
- 個々人が主体的に内発し自律して分業し共創する組織となる。
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1.「情報を共有する」ことの真の意味
「情報を共有する」とは、DX(Digital Transformation)を実現することではありません。
当社では 真のコミュニケーション “Wise Communication” を提唱していますが、「情報を共有する」ことは、情報共有の真の問題点を解消し、この “Wise Communication” すなわち、真の意思疎通を実現することを意味しています。
1.1.情報基盤としての「情報の共有」の役割
「情報を共有する」ことによって「目的の共有」「思考の共有」「直観の共有」「変革の共有」「実現の共有」が可能になります。このことは、以下の創造的な組織への変革に寄与することをも意味しています。
- 直観(ビジネスセンス)の共有による「セレンディピティ」
- 組織内のいたる所での自発的な「知の探索」と「知の深化」
- 組織の壁を乗り越えた創発
- 主体的な内発・自律による分業と共創
1.2.「情報の非対称性」を解消することの意味
情報の非対称性の解消は「組織能力経営」の基盤であり「組織能力経営の場で織りなされるビジネスセンス(俯瞰し洞察した直観)の交流と交換」の基盤となります。そして、情報の非対称性の解消によって、組織の内部では「情報の探索と深化」「ビジネスセンス(直観)の交流と交換」」が活発に行われ、個々人の中の「俯瞰し洞察した直観」が意思疎通の壁が低くなった組織の中で「社会的再帰性」となって浸透していくことになります。すなわち、真の意思疎通 “wise communication”が可能になります。
- IT化の技術が進む前の時代には、企業内の情報は担当部署の管理者から経営者へと集められ、企業にとっての機密情報として扱われてきました。そのため経営環境が変化しても、企業内の情報がないため現場で適切に即応するための意思決定は不可能であるか、極めて限定的なものとなっていました。これがいわゆる情報の非対称性といわれるものです。
- これまで働いている人たちをマネジメントするためには エンパワーメント や エンゲージメント が重視されてきましたが、この情報の非対称性が自律して行動する人たちを制約していました。
- 企業内ではDXが導入され、社会的にもSNSが一般に普及し誰もが社会で起きている事象やものごとに関する情報を入手することが可能になってきました。「21世紀 エシカル・グリーン時代」に向けたビジネスを展開していくためには、多様な知識や経験のある人たちに広範な情報が提供されるべきであり、むしろ、そうした人たちの方が新しい情報に聡いかも知れません。
2.循環型生産消費経済社会システムの情報戦略 ビジネスエコシステム全体で新鮮な情報を情報収集/探索し共有する
現実的に、21世紀 エシカルグリーン時代には、顧客や市場に関する情報に加えて、社会で起きている事象やものごとに関わる情報を正確に捉えて、的確に対処していかなければなりません。
2.1.社会全体を俯瞰しながらビジネスモデルを構築する
これまでの経済成長が求められた「利潤追求」の経営では、社会や社会問題を考慮することが最優先ではありませんでした。当然のことながら、従来の経済合理性に基づくビジネスモデルは単純すぎて使い物になりません。
そこで、最近のDX技術を活かして「プロダクトライフサイクル+トータルフットプリント」のエシカル・エコノミーやサーキュラー・エコノミーとしての情報を得ながら「社会全体を俯瞰しながらビジネスモデル」を構築することが必要になります。
当社では、21世紀 エシカルグリーン時代に向けて、社会全体を俯瞰し変革を思考するための 情報参照モデル Modeling Methodology for IT を開発し提供しています。
2.2.社会全体をリアルタイムに読み取る仕組みを構築する
21世紀 エシカルグリーン時代に「利潤追求」に加えて「社会の持続可能な発展 “sustainability” 」を目指していく経営における「目的の共有」「思考の共有」「直観の共有」「変革の共有」「実現の共有」のための情報基盤のイメージを以下に示します。