#188 ワークとライフが融合して社会的価値を生み出す

 集団の中で思考し協調して行動する習慣が身についている日本的な行動様式に対して、欧米の人達の行動様式は契約主義、個人主義に基づくものであるというのが一般的である。グローバル化により欧米的な思考が日本にも浸透してきているが、日本人がチームとして協調しながら行動する特質は、日本人の誇りであり賞賛されるべきことである。

 組織全体の合理性を優先し、自己を押し殺して埋没させることは全体としては忖度や“長いものには巻かれろ”といったマイナスの効果を生み出してしまう。個人主義の枠組みを超えて、人権が重視された社会において個人が組織の中で自立し、社会の中における自己の存在目的を追求し自律していかなければならない。人が自律して行動していくためには、知識だけではなく知恵が必要である。利己主義ではなく、また、自己を超越して自ら自我から解き放たれ、社会や自然環境との関係全体の中で思考できなければならないのである。

 日本人の生活は仕事を中心にまわしていくものであると固定概念化されてきた。自己を超越した発想のもとでは、ライフが全体を占めるようになりワークはその一部となり、仕事や家事、介護や看護に追われることなく、自分らしい、こんな暮らしがしたいという暮らし方を実現しようとする様になる。企業も、経済合理性の発想によらず、ウェルビーイング、クオリティオブライフの発想に根差した産業への転換を図っていく必要がある。

 人は、経済的豊かさや儲けを競うのではなく、自己実現を目指した生き方、心豊かな暮らし方ができ寛容な社会を築いていくための知恵を学習していく。さらに、社会が成長してくると、人は自己を超越した価値を形成できる様になっていく。社会全体として、ワークとライフが融合して社会的価値を生み出していく。

サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役社長 池邊純一

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