#21 見透せる化(9) それを観じて感じ取った時、行動せずにはいられない

本来、何を見透せる化し、見透して何をするか、実は、こうしたことに対する意識が問題である。それは、何かを見聞きし先を見透して、誰かを変えるでも、組織を変えるでも、社会を変えるでもない。先を見透し自分を内省し内観することで、『私自身が、こうせずにはいられない』に眼を向けて傾聴して自分自身の行動が変わることである。
 
私は、『その先メソッド』を開発し、そのためにものごとをどう考えれば良いかというプロセスを明確化してきた。そして、高齢社会、少子化社会、人口減少社会、成熟社会といったキーワードを使って世の中を“見透せる化”をするための道具立てを揃え、個性と多様性を大切にする時代、それを実現するビジネスエコロジーの実現を準備してきた。また、ひとつの具現化の手段として、「サステナブル・イノベーションセミナー」を開催してもきた。
 
しかし、いつも、何か欠けるものを感じてきた。 それは、自分自身の真に「やりたいこと」「やらずにいられないこと」を実現するものではなかったからだ。私の問題意識は、経済成長期に機能したシステム中心から、成果中心の社会へ移行し経済合理性ばかりを追究することで社会が社会が急速に壊れつつあるということである。顧客中心と言いながら、実は、それ自体も成果に組み込まれている現実への矛盾である。
 
今、私にとっての「発現する未来」「未来の最高の可能性」に辿り着いた。真の人としての顧客との関係構築、人間中心に考えて行動することを何よりも大切にし、みんなとともに、夫々の「やりたいこと」「やらずにいられないこと」を見い出して大切にする、そんなことを自身、他者とのダイアログを通して発現(創発)させていくことである。
 
『地域を元気にする企業の持続可能な成長を応援し、“働きがいのある自分らし仕事”? の実現を一緒に目指していく』 それが私の「未来の最高の可能性」である。我々一人ひとりが、人間中心に考えて働いていることが、私にとっての『社会の持続可能な発展』の実現であり、私自身が目指すサステナビリティなのである。
 
そして、その実現の方法は「サステナブル・イノベーションダイアログ」であり、その実現の場が「サステナブル・イノベーションフォーラム」となる。それは、私の使命であり、社会に対して提供すべきダイアログ、サステナブル・イノベーションの機会創造の場である。
 
これが、C・オットー・シャーマーの「U理論」が示すところの『私自身のプレゼンシング』であり、「その視線に気づいた時、世界は止まる。それを経験すると、元の自分ではいられない」のであろうことである。

サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役 池邊純一
 

参考文献:C・オットー・シャーマー著、中土井僚、由佐美加子訳、「U理論 過去や偏見にとらわれず、本当に必要な「変化」を生み出す技術」、英治出版株式会社、2010年11月25日

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