本コラムで示す「即非×扉と橋による転回思考体系」は、当社が独自に開発した「視点論点創造推論AI (視点論点転回エンジン)」の中核となる思考方法論です。
1.発想を転回する美しい思考方法
当社では、「即非」によって「新たな意味」を創り出し、「橋と扉」のメタファーによって「限定合理性の境界」を乗り超えていく「即非×扉と橋による転回思考体系」を確立し、それこそが『発想を転回する美しい思考方法』と考えています。

「即非」は鈴木大拙氏の「即非の論理」を参考にしています。また「扉と橋」はゲオルク・ジンメル著「橋と扉」を参考にしています。「限定合理性」はハーバート・A・サイモン著『経営行動 経営組織における意思決定プロセスの研究』を参考にしています。
1.1. 「即非」という思考
私たちは、失敗を繰り返し、何とか工夫して良くしていくから成功に辿りつくものです。イノベーションもし烈な競争があり、たくさんの敗者がいて、その中に勝者が生まれてくるのです。ものごとを成し遂げたその時点で、次に何をするかが始まります。そしてそこには物語が生まれ、心に響く「意味」が創られていきます。
1.2. 「扉と橋」をメタファーとした思考
また、私たち一人ひとりが何かを決める時、持っている知識、過去の経験、バイアス、色々な規範や制度を頭の中に注入して考えています。しかし、自ずとその範囲は限定され、その限定された範囲の内側でできる限り合理的に答えを見つけようとします。これは、組織でも、社会の中でも同様です。この限定合理性の境界の先にあるものを見つけることは難しいことです。言うならば、限定合理性の扉をひらきその先にある何かに橋をかけてそこに辿り着いていかなければなりません。
1.3. 世界を「存在」「時間」「関係」で描く
しかし、「即非」の思考は、私たちが子どものころから教え込まれてきた西洋の論理思考にはなく、何でもかでも適用しようとすると、思考の混乱を招いてしまいます。そこで、当社では「存在の即非」「時間の即非」「関係の即非」にカテゴライズして適用することにしています。
1.4. 「意味循環」という考え方
社会には予めきめられた「固定」された構造はなく、モノと同じ様な形のある構造体として捉えることはできません。個々人の心の中で「意味」が巡り、そして、他の人との「相互の双方向の会話のやりとり」によって「意味」が拡がり巡っていきます。この「意味循環」によって社会は自己生成的に流動しながら均衡を保って存在しています。
この「意味循環」こそが「コミュニケーション」なのです。「血液循環」が人が生きるために必要なように、「意味循環」も人が生きていくためには必要なのです。そして、尊厳を持って生きるためには「意味循環」に主体的に自律して関与していかなければならないのです。
2.「即非×扉と橋による転回思考体系」をイメージする
どんなに説明しても具体的にイメージできないものは役に立ちません。そこで、以下に「印刷」という産業分野を例にとって考えてみます。「印刷」は人類、とりわけ、近代化における社会の発展には欠かせないものです。しかし、今、社会の発展によって、その存在が脅かされています。発想を転回してこの状況を打開しなければ、産業どころか私たちの文明は崩壊してしまいます。
2.1. 「印刷」を事例に発想を転回する
森林資源の保護、廃棄ゴミの削減、コスト削減を理由にペーパレス化が進められてきました。また、今日、デジタル技術の発展により、新聞、雑誌、本、手紙、ちらし、ポスター、紙幣、冊子、文書など、様々な分野で電子版の発行が進み、印刷することなく社会に流通するようになりました。
このような経緯により「印刷」の社会的地位は低下する一方であり、また、人口減少社会化で需要も減少していくばかりです。
しかし、「印刷」のない社会を想像して下さい。「印刷物」のない生活は成り立つのでしょうか。
おそらく、「印刷」のない世界は不便なだけでなく、無味乾燥な世界でしょう。
それでは、将来社会に向けて「印刷」をどのように維持し発展させていけば良いのでしょうか。
以下の文章は、「即非×扉と橋による転回思考体系」を使用した 「視点論点創造推論AI (視点論点転回エンジン)」 の出力です。

2.2. 「即非×扉と橋による転回思考体系」は創造的破壊(イノベーション)へと私たちを誘う
以上、見てきたように、「即非×扉と橋による転回思考体系」は「印刷」という産業の業務改革に目を向けた思考方法の体系ではありません。また、単に産業として生き残るための産業論でもありません。私たちが、今生きているこの社会の文明のあり様に遡上し、「印刷」の存在を「生活の中でなくてはならない存在」へと昇華させていく思考方法の体系となっています。
これは、ごく自然に、私たちを「印刷の意味」の創造的破壊へと誘い、真の「破壊的イノベーション(ディスラプション)」へと導き入れる思考体系なのです。
サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役社長 池邊純一
【参考文献】
- 北川東子他、『ジンメル・コレクション 』、ちくま学芸文庫、筑摩書房、 1999.1.12
- ハーバート・A・サイモン、松田武彦.高柳暁,二村敏子訳、『経営行動 経営組織における意思決定プロセスの研究』、ダイヤモンド社、1965 (原著初版:1945,第三版:1976)

