組織として作業を行っていく上で遭遇する最初の問題は、組織の構成や運用に起因する問題であり、意思決定や役割分担、負荷分散に関わる問題として表出してきます。こうした問題は、業務が進むにつれ、作業量が増えたり、様々な事情で日程が遅延したり、あるいは、変更が加えられたりすること等により表面化してくるものです。
しかし、これらの問題を突き詰めていくと、超過した作業量を如何にこなすか、難しい課題や複雑な課題を如何に解決するか、外部からの横やりに如何に的確に対処するかといったことに対するリーダーの調整力や意思決定力の不足、メンバーのスキル不足に起因する問題、人間関係(人と人との相性)により生じるコンフリクトの発生といった非生産的な問題の存在に突き当ってしまいます。
解決方法とその限界
こうした組織の内部問題を当該部門の中だけで解決しようとしても、取り得る施策には自ずと限界がでてきます。例えば、すぐに解決できそうな技術的問題については、上司や周囲の人たちからの助言が有効な解決策となりますが、その解決には多大な労力が必要となり作業量がオーバーフローしたり、リーダーの調整力や意思決定力が不足したりすると、組織そのものにてこ入れして体制を強化しなければならなくなります。メンバーのスキル不足に起因する問題については、教育やOJT、役割分担の見直し(配置異動)が有効ですが、人の育成には時間がかかり、当座の対策としては有識者による支援が必要になります。人間関係に起因する問題であるなら、配置異動をして対応しなければなりません。いずれにしても、組織の枠を超えた解決が必要となります。
このレベルで目指す問題解決は、それぞれの組織に固有な問題への対処ではありますが、組織のダイナミズムの観点から捉えると、実務経験と教育を通しての業務遂行能力(ケイパビリティ)の向上が主要なテーマとなります。しかし、個々の組織や一人ひとりの問題として捉えている限りにおいては、組織全体を俯瞰した恒久的な解決としての効果には至りません。実務経験と教育を通しての業務遂行能力(ケイパビリティ)の向上は、将来を見据えた長期的な視点での全社としての取り組みが本来必要なのです。
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