変革構想の論点整理

下記は、当社が Innovation Transforming (TM) のフレームワークとして提唱しているもので、21世紀の日本社会や経済現象の要因を分析する際に「社会全体を俯瞰する」するために利用している構図です。当然ながら、時代の趨勢によってこの構図も変化していきますが、現状の議論を進めるベースとなる「社会や社会問題を捉えるための一定の枠組み」と考えています。
 
 21世紀 エシカルグリーン時代に、 “Well-Being” を目指して「働く人たち」が社会の中で自立して組織の中で自律して協働していくためには、その前提として、社会や社会問題を捉えて「社会全体を俯瞰する」するための一定の枠組みを共有しておくことが必要となります。そしてその上で「社会変革構想モデル」を創造していくことになります。

1.「社会発展の方向性(24個のメタタイプ:サステナビリティ社会の発展の方向性)

 下図は当社が提唱する『社会発展の方向性』(現時点では24個のメタタイプに分類)です。
 これらはこれまでの近代化時代に培われてきた社会の発展の方向性(これまでの社会発展のパラダイム)を勘案しつつ、これからの「サステナブル・トランスフォーメーション」を想定して当社なりに累積思考量を積み重ねて構築してきたものです。

2.社会衰退の図式とあるべき社会発展の方向性(社会変革構想モデル)

 下図は、経済成長モデルと社会問題の関係から描いた「社会衰退の図式とあるべき社会発展の方向性」を示したものです。
 上記『社会発展の方向性』との関係を図中にマッピングして右欄にその詳細と「創造されるべき社会的価値の論点」を記述しています。当社のInnovation Transforming (TM) における「論点整理チェック表」のスタートはこの記述から始まります。

3.事業によって実現していく社会変革構想モデル

 企業が継続して成長していくためには、それまでの事業を継続的に進化させることが求められます。しかし、企業にはこれまでと異なり「サステナビリティ “Sustainability”」への意識が求められています。
 すなわち、現在の企業には、独自の技術、製品を新規事業開発シナリオにより進化させていく事業革新能力ではなく、持続可能な社会の発展を実現する社会変革構想 “Social Change Initiative” への創造力が求められているのです。

3.1.事業価値の地平面と事業戦略の地平線

 これからは、独自の技術、製品の進化を「新規事業開発シナリオ」で考えるよりも「社会変革構想モデル」で考えていくことになります。なお、ここでは、視座を経済発展の世界観に置いた企業の持続的な成長を目指した経営の視点から捉えた「社会変革構想」に焦点を当てて記述しています。

事業戦略の地平線で考える

 これは「事業の目的の進化」を考えていくことでもあります。「当初時点の事業」のその先に「社会変革構想」を考えていくことで、他社にない独自の高みを描いて目指してくことができるようになります。実際、個々の独自技術、製品のロードマップを描くだけでなく、「独自の技術、製品」を起点として描くことで、その社会的意義を明確化する(「プロダクトの変革」「プラットフォームの変革」「新市場/経済圏の創造とビジネスエコシステムの確立」「新たな社会生活様式の創造」へと描き上げていきます)ことができます。

  • 多くの企業では既存の「プラットフォーム」の上で「プロダクト」を考えているかも知れません。しかし、自社製品そのものを「プラットフォーム」となるように考えることは「市場における位置づけ」を高めるだけでなく、「企業の社会に存在する意義(価値)」を高めることに直結していきます。すなわち、その独自技術、製品を普及させ社会の中に浸透させていく「プラットフォームの変革」の仕組みになるように深掘りすることで、他社にない独自の競争力の源泉となるイノベーションを構想していくことが可能になります。
  • しかし、「社会変革構想」を描くことのメリットはそれだけにはとどまらず、「新市場/経済圏の創造とビジネスエコシステムの確立」へと導いていくシナリオはドミナント(市場制覇)への道筋を描くことにもつながります。そしてさらに『持続可能な社会の発展』に向けた「新たな社会生活様式の創造」へのシナリオを描いていくことによって、未来社会に向けて巻き興していくべきディスラプション(ディスラプティブ・イノベーション、社会そのものを変革する破壊的イノベーション)を構想し社会に訴求していくことになります。これにより将来の社会に向けた長期的なアドバンテージを獲得することが可能になります。

事業価値の地平面で考える

 これは「事業の社会における価値の進化」を考えていくことでもあります。実際、殆どの企業では、個々の独自技術、製品のロードマップを描いていると思いますが、その社会的意義を「社会変革」の視点から描くことはないと思います。事業戦略として「社会の発展」を描いて顧客や製品市場に訴求していくだけでもその事業のブランド価値は高まります。

  • それ以上に、「社会問題とその解決」の取り組みを明確化し、「自律して分業し共創する組織」の取り組みが社会の中での人々の暮らし方、働き方を変革し、それが「経済の発展」につながり「社会の発展」に結びついていくシナリオを描いて社会の中に訴求していくことで、持続可能な社会の発展に取り組んでいる企業としてのコーポレートブランド価値(社会に存在する意義)をより広く高めていくことができます。
  • しかし、「社会変革構想」を描くことのメリットはそれだけにとどまりません。「社会の発展」のビジョンを描くことで、持続可能な社会の発展を実現していく未来志向企業としての「将来世代に向けた存在価値」をも高めていくことができます。
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