「社会価値創造の競争」の時代に生き残りをかけて
企業は利潤を追求しなければならない存在です。しかし、今の時代においては、それ以上に、事業を通して「社会の発展」に貢献し、様々な社会的課題を解決していかなければなりません。 現実的に、多くの企業がブランド価値を高めるためにこうした取り組みを始めており、まさに「社会的価値創造の競争」の様相を呈してきていきます。
しかし、市場や顧客との関係で捉えてきたこれまでの価値の構図のままでは、社会との間の関係を組み込むことは難しく、単純に、市場や顧客の創造の延長上に社会の発展という図式を描き出すことはできません。
「社会的価値創造の競争」の時代に生き残っていくためには、価値創造の構図 を 社会の価値を創造する という発想に大きく転換していかなければなりません。 しかも、「今だけでなく未来の社会」における「社会の発展」(未来社会の持続可能な発展)につながる価値を創造していかなければ「企業の持続可能な成長」を実現していくことはできません。
詳細は 未来社会の価値を創造する経営 を参照下さい。
本当にやりたいことを見つける RVM分析 “Real world-View-world of Mind Analysis”
日々の業務をこなしていく喧騒の中では、例えば、顧客が必要とするものを創造する、売れるものを作る、コストを削減して利益を確保する、必要としている顧客に届くようにすることに思考が奪われて、「本当にやりたいこと」が後回しにされてしまいます。 でも、現実を少しずつ変えてみてはどうでしょうか。もし、本当にやりたいと思っていることが、表面的なことではなく、心の奥底に潜んでいることに訴求することであれば、そして、それが誰も成し得ていないことであれば、新しい大きな市場がそこに眠っている筈です。
自分の「本当にやりたいこと」が現実の仕事になっているのか、ありたい自分の実現につながっているのかという問いかけをしてみましょう。そこにはギャップがあり、ギャップがあることで問題を認識し、そこに解決すべき課題が見えてきます。視座と視点を広げ、多角的に捉え、深掘りして、あるいは、高い視点で捉えていくと、さらに、異なる問題も見えてきます。仕事だけでなく、自分の生き方や暮らし方、家族などとのかかわり方、組織とのかかわり方、社会とのかかわり方も、見え方が変わり、「本当にやりたいこと」の本質も見えてきます。
大事なことは「ありたい姿」(状態)であり、「やり方」ではないという点です。「ありたい姿」の追求は「目的」につながり、「やり方」の追求は「方法」につながっていきます。「本当にやりたいこと」の本質は「目的」を追求することです。
詳細は RVM分析 “Real world-View-world of Mind Analysis” を参照下さい。
未来社会の価値を創造する
事業者が考えるイノベーションは新たなプロダクトの創造というイメージがあります。新たなプロダクトは市場に自然選択され淘汰され、ごく少数のプロダクトだけが事業として成功というのが常識です。そこで、生き残りをかけた競争戦略、マーケティング戦略が展開されていきます。結局、目先のビジネスの成否が未来社会を決めることになり、目指していく未来社会について考えられることはありません。
一方、 未来社会の価値を創造する ことを思考すると、未来社会はどんな社会システムなのか、そこではどんな社会的風土を培っているのか、また、そこではどんなプラットフォームによって、どんなプロダクトが社会を豊かなものにしているのか、といった夢にも似た疑問が湧いてきます。
しかし、それが自分の「本当にやりたいこと」と結びつくと、未来社会の価値を創造する ことが自分のビジネスの目的となっていきます。 自分の目的を少しずつでも実現させていこうという活動は 未来社会の価値創造 のスパイラルとなり、“目的思考” によって深掘りされ、次第に大きく成長し、目指していく未来社会が実現されていきます。

未来社会の価値を創造するシナリオ
ビジネスを社会の持続可能な発展につなげていくためには、“未来社会に向けた価値” の視点からイメージを引き出し、これまでの発想を拡張していく必要があります。下図は「未来社会の価値創造をイメージしていくための論点」をまとめたものですが、これら論点を頼りに未来社会の価値を創造するテーマを抽出していくことで、イノベーションへの道筋を描いていくことが可能となります。