持続可能な社会の発展

 最近、SDGs という言葉をよく耳にします。それは “Sustainable Development Goals” の略であり、日本語としては、しばしば「持続可能な開発目標」と訳されています。
 一方、“Sustainable Development” は「持続可能な社会の発展」とも訳されてきました。国連が主導する開発経済という立場に立てば「持続可能な開発」となりますが、社会の内部から社会問題を自ら解決していこうという立場に立って、当社では、“Sustainable Development” を「持続可能な社会の発展」という日本語を用いています。
 

社会の発展とは

 『社会』は物理的に形のあるものではありません。ましてや『社会の発展』は「何がどうなる」と言えるものでもなく荒唐無稽な話しでしかありません。
 人は一人では生きていける存在ではなく、人とのつながりの中で生きていくものです。そして、そうした人と人とのつながりのなかで日々の生活を送り、何かを生産し経済活動を通して生きています。日々の生活には暮らし方があり、生産活動にも働き方があり、経済活動にも一定の商習慣があります。
 
 そこで、ここで言う『社会』とは、その中に生活があり、生産活動があり、経済活動を含んで人々のつながりが形成している概念的な空間であり、『社会の発展』とは、その暮らし方、働き方、商習慣といったことの仕方が変化していくことであると、緩やかに考えることにします。
 

持続可能な社会の発展とは

 『社会』が概念的な空間であり『社会の発展』がその空間の中で営まれている様々な活動の仕方の変化であるとするとしても、そこには、基盤となる文化、制度、知識、技術が存在し、むしろ、それらこそが時間と共に変化していく、すなわち、イノベーションにより進化していくと考えることができます。そして、『進化の歴史』があり『進化の未来』という時間要素が含まれてきます。
 
 この時間要素で捉えるものは、ひとつひとつの進化の時点を捉えるものではなく、『その社会』が存在し続け、かつ、次々に『その次の社会の発展』へと結びついていくというものでなければなりません。
 また、『その次の社会の発展』は、ある文化圏ばかりではなく、異なる文化圏の『社会』と共存し多様性や包摂性をもって相互に発展し続けるものでなければなりません。それが『持続可能な社会の発展』と言えるものです。
 

社会はどのように発展してきたのか、そして、どのように『持続可能な社会の発展』をしていくのか

 暮らし方、働き方、商習慣といったことの仕方が変化していくことを『社会の発展』と捉えるならば、18世紀後半頃以降からイギリスで始まった産業革命は、農耕中心の暮らし方や働き方の農耕社会を工業中心の暮らし方や働き方の工業化社会に一変させ、まさに、近代化への大きな転機であったことは間違いありません。
 工業化社会(近代化社会)はコンピュータを生みだして高度に発展させ、社会のあらゆるシーンに浸透していくことによって暮らし方、働き方、商習慣は大きく変化してきています。それは情報化社会、あるいは、最近の人工知能などへの進化ともあわせた知的情報化社会とも言われています。
 その一方で、工業化社会(近代化)は地球の自然環境の汚染による生態系の破壊(環境問題)、化石燃料の利用によって生じる二酸化炭素といった温暖化ガスの過剰な排出による地球温暖化問題を引き起こしてきています。近代化社会や情報化社会がもたらした消費社会に、今や、脱炭素社会、自然環境にやさしいエコ社会への転換が迫られています。この脱炭素社会、自然環境にやさしいエコ社会への転換もまた、地球に暮らす全ての人々の暮らし方、働き方、商習慣は大きく変化させていきます。
 

 
 ここで気に留めておくべき点は、工業化社会は農耕社会を消滅させた訳ではなく、近代化社会は知的情報化社会に全てが取って代わった訳でもないということです。脱炭素社会・エコ社会は、農耕社会、工業化社会、情報化社会の延長上のその上に、新たな社会の中での人々の暮らし方、働き方、商習慣の変革された仕組みとして成り立っていかなければなりません。むしろ、新たな社会への暮らし方、働き方、商習慣の変化が、農業や工業化、知的情報化の仕組みをより発展させていくと考えるべきなのです。
 農業の大規模化により森林を破壊し土壌を汚染させてもいけないし、工業化により農業を荒廃させてもいけません。知的情報化により工業が廃れてもいけませんし、脱炭素化・エコ社会化の技術が農業や工業を廃れさせてもいけません。それらが共存しながら発展していくことこそ『本質的な持続可能な社会の発展』に他なりません。そして私たちはそのために知恵を出して新たなソリューションを生み出していかなければなりません。それが『社会変革ソリューション』であり、これからの社会に求められる『ディスラプション』なのです。
 

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