#236 より良い社会を築いていく社会、組織、人の進化の促進

 21世紀のこれからの社会は、脱・脱近代化(ポスト・ポストモダン)の時代に向かっていく。そして、個々人が社会システムや企業に隷従することなく、自立し自分の意志で行動していく意識の高い人達が増えていく。

 一方、ロボットや人工知能技術の進化の勢いも速く、傍らにいる知識ベースを擬人化したヒューマノイドロボット(VRによる映像)と会話しながら仕事を進めることが可能となる。ソーシャルネットワークもさらに進化し、情報収集やIoTとつながった様々なデータ分析もキュレーターロボットが担う様になっていく。人々は、定型的な業務や情報検索の作業から解放され、自分の目的を実現するためだけに思考を集中させることができる様になる。

 成熟経済の下で社会も成熟化し、人々は、ローエンドの市場開拓型イノベーションによって供給される低価格商品を日常的に消費しながら、自分らしさの実現のためにハイエンドの漸進型イノベーションの商品を買い求めるという消費マインドはより顕著になっていく。さらに、シェアリングエコノミーの傾向も進展し、目の前のニーズを満たしたハイエンドの漸進型イノベーションの商品の多くはフリーマーケットで売買されていくことになる(ローエンドの市場開拓型イノベーションの低価格商品も同様である)。こうして、商品は耐用期間を越えても社会の中で流通され続け、モノの需要はどんどん縮小していくことになる。

 これからの社会にける顧客は、自分の利益や自我(エゴ、例えば、自己実現の欲求)に縛られることがなく、他者や社会全体に対しても思いを巡らせている人達である。これからのプロダクトは、そうした人達が求める社会的価値を満たしていくものとなる。20世紀の近代化(モダニズム)の時代とは異なり、これからの脱・脱近代化(ポスト・ポストモダニズム)の時代においては、顧客の目の前のニーズを発掘して売れるものを売ればよいという発想は通用せず、社会の持続可能な発展につながるプロダクト、社会的課題を解決することのできるプロダクトを提供していかなければならなくなるのである。

 21世紀のこれからの職場において、人々は、ただ単に生産性を高めれば良いという働き方はできなくなる。既定の知識でこなせる定型的な業務や情報探索はロボットがこなし、接客やクライアントからの問い合わせもロボットが担う様になる。マネジメントの仕事も、日々、現場から上げられる伝票等の業務情報をもとに、人工知能が打つべき手立てを指示する様になる(PDCA管理が自動化される)。こうした時代にあって人間の仕事は、社会的価値を定義してコンセプトをデザインする、言わば、人間性が求められる部分に限定されていく。

 この様な未来社会においては、導入するロボットや構築する知識ベースの善し悪し、ロボットや人工知能の活用技術の善し悪しが、企業の競争優位性を左右することになる。ロボットや人工知能が企業の収益性を決定づける源泉となるのであれば、人間は、あくせく働く必要はなくなる。個々人が社会や組織の中で自立し、社会とつながりながら人間性を養い、自分のやりたい複数の仕事を掛け持ち、自分にとって都合の良い時間で働くようになる。

 こうした未来社会の労働環境を実現するプロダクトとしては、単にテレワークを可能にするというモノではなく、必要な情報や知識を即座に探し出してくれるキュレーションロボットや擬人化したヒューマノイドロボット(VRによる映像)を目指していくべきであろう。また、プロセス監視に重きを置いた法令遵守のための制度等の運用を担うRPAシステム(コンプライアンスシステム)、個々人の人間性を養っていく人材育成や働き方(人間関係管理、人事評価制度)を支援するHR-tech(タレントマネジメント、人員配置管理、人事評価システム)の知性の向上も図っていかなければならない。

サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役社長 池邊純一

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