#230 社会的コストを削減する

近代化(モダンイムズ)の時代の社会構造は、公共と民間が完全に分離していた。企業は、ひたすら利潤の追求をしさえすればよく、公共の利益に関わることは行政(自治体)の役割であった。唯一、その理屈に正当性があるとすれば、企業は獲得した利益の一部を法人税として支払って負担しているということであろう。

近代化は、そうした仕組みにより効率的に進展したが、近代化を進めるために企業が生産した製品も、やがては寿命が訪れて廃棄されていく。廃棄されたものを放置すれば公害を引き起こし、自然環境を破壊してしまう。自然環境は「ただ」だと思っていても、そのバランスが崩れると人類の生存も危うくする可能性につながっていく。

自動車は社会生活の利便性を高め、また、社会の文化発展にも欠かせない。しかし、自動車が走る道路の建設や整備は公共投資によって賄われる。その公共投資の財源は、自動車税、軽自動車税、自動車取得税、自動車重量税、やガソリン税等、国税や地方税として支払われた税金であり、一部の道路には利用料金によっても賄われている。しかし、高速道路にせよ、一般道にせよ、橋にせよ、耐用年数もあり老朽化していく。国や地方の財政難にある現在、その再生にかかる費用をどの様に捻出しうるかといったことの解決策は見いだせていない。結局、近代化のプロセスは、最終的には負の遺産を残こしていくだけである。

社会的コストは、製品のライフサイクルコストも積み上げて評価されなければならない。未来社会の価値を創造するプロダクト、すなわち、未来社会の持続可能な発展に寄与するプロダクトは、製品のライフサイクルコストも含めた社会コスト低減につながるコスト低減に配慮したプロダクトであるということになる。当然のことながら、社会保障費を低減するプロダクト、公共設備のコストを低減させるプロダクト、生活インフラ(電気、ガス、水道、通信、交通)に関わるコストを低減させるプロダクトも社会的コストの削減につながる。

サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役社長 池邊純一

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