#206 ロボット、AIと役割分担する生産活動となる

 IoT、AIやロボット技術は、職場、及び、社会生活への適用の場を増やしつつある。ロボットや人工知能が担うべき仕事の役割分担をすることで生産性が向上する。しかし、それ以上に、人間が定型的な業務から解放されることによって得られる時間ややる必要のなくなった労力を創造的な仕事に向けることができるようになる。ロボットや人工知能の活用によって生産性の向上を図るとともに、人の創造性の向上を図ることによって、ディスラプティブ・イノベーションの連鎖による経済成長を実現していくことが可能になる。

 AIやロボット技術が進化しシンギュラリティ(技術的特異点)に到達すると、未来社会がこれまでとは異なる次元に突入していくとも言われている。人が担うべき仕事とAIやロボットが担うべき仕事の役割分担によって、人はより自分らしく、社会の中における自己の存在目的を追求することができる様になる。

 IoTを活用したビッグデータの利用の一面として、政策理念のない政治家が得票数を上げるために、民衆うけするキーワードを分析して政策に織り込むという事例がある。新たなポピュリズムの形態であるが、単に、耳当たりの良い言葉を連ねた政策には一貫性がなく社会を混乱させていく。政治家がビッグデータ(SNS等の生データの分析)を駆使して当選しさえすれば良いというのなら、未来社会をどう築いていくかという政策理念があるのか(未来に関する生データは存在しない)、それはどの様な社会になるのか(シミュレーション)、多様化し利害関係が複雑に入り組んだ中で予算をどの様に捻出しうるかといった実行可能性(逆に言えば、絵空事の政策をクラスター分析やゲーム理論等で検証する)等、有権者側の評価ツールとしても活用するべきであろう。取り敢えずツイートし、フォロワーの賛否を見て政策を動かしていくというのも本末転倒の政治手法である。社会としてのビッグデータリテラシーが醸成されているかが問われる。

 21世紀に実現されていくネオ多様性の社会において、IoT、AIやロボット技術は、何よりもヒトが寛容な社会を築いていくための道具でなければならない。また、自然環境の破壊を防ぎ生態系の多様性を守っていくためのものでなければならない。20世紀までの技術革新の轍を踏むことがないように、経済成長のためのイノベーションや利便性の追求ばかりでなく、まず、共生する社会、すなわち、寛容な社会の発展、生態系の保護と豊かさを思考して進めていかなければならない。

サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役社長 池邊純一

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