戦略の変革

 社会の変化にともない戦略も変化させて適応していかなければなりません。しかし、それ以上に必要なことは、社会のあるべき方向性を思考して、多様性と包摂性を重要視する社会の価値を創造していく戦略を構想すること です。
 

多様性と包摂性を重要視する社会の価値を創造していく戦略

 20世紀に確立された戦略論は、①大量生産・大量消費社会を実現するための、②市場主義と競争原理に基づく、経済性や効率を重視した思考のもとに確立された理論体系です。
 21世紀のこれからの戦略は、多様性と包摂性を重要視する社会であることを前提として、経済合理性のみならず、人権や自然環境保護、地域社会の人たちの暮らしを豊かにするという意識に基づいて、未来の社会を考えて、自分だけではなく同じ地球上で暮らしている人たちも、そして、今の世代の自分たちだけでなく将来の世代の子どもたちの世代にも豊かに暮らしていける権利を大切にする戦略を構想していかなければなりません。
 

社会変容の視点から経営戦略を構想する

 ニューノーマル(新常態)という新たな社会の変容にともない経営戦略の有り様も変化させていかなければなりません。その上で何よりも重要なことは、目の前の急激な変化に囚われることなく、社会のあるべき方向性を思考して、新たな豊かさを創造していく戦略を構想していくことです。そして、今、経営戦略として構想しなければならないことは、以下に挙げる、ニューノーマル(新常態)に向けて、新たな豊かさを創造していくディスラプションを構想することです。

  • コミュニケーションの変革(遠隔〇〇、リモート〇〇、仮想〇〇等)
  • 非接触技術の変革
  • 無人化技術の変革
  • 冗長性を加味した最適化技術の変革
  • 社会的価値創造の視点から創発しあえる社会システムの構築
  • 社会全体の持続可能な発展

 

 
 これらディスラプションによって実現すべきこととは、『時間に拘束される生活の克服、空間に拘束される生活の克服』であり、また、その実現による『新たな豊かさを創造する社会変革の仕組みの構築』 の2点に集約されます。
 
 ニューノーマル(新常態)に向けたディスラプションは、ただ単に、感染症拡大のリスクを低減する新たな生活様式を実現するものとしてだけでなく、サステナビリティ(持続可能な社会の発展)を目指して新たな豊かさを創造していく人々の活動を支えるものとして、その足枷となる『時間的な拘束』と『空間的な拘束』を克服するための基盤(プラットフォーム)となるものでなければなりません。
 

システムとして戦略を構想するためのフレームワーク

 経済合理性でものごとを考えようとすると、ついつい、問題点と合理的な解決手法に焦点を当てて戦略を構想してしまいます。しかし、社会のあるべき方向性を思考して、社会の価値を創造していく戦略を構想するためには、[何の(対象)、状態を(場)、変える(変換)]について、大局的に、かつ、全体システムのダイナミックな挙動 として捉えていくことが必要になります。

  1. 何の(対象):モノ、人、事象、情報や知識、思考や意志、意味、価値、状態(コト、状況)、場、関係性、コンテンツと媒体(メディア)、社会
  2. 状態を(場):認知される空間、設定された場面、局面、情景(感じ取られる感覚、ストーリーの背景)
  3. 変える(変換):移動する、伝達する、移転する、変化する、遷移する、転換する、変容する、創造する

 
このフレームワークでは、ものごとの因果ではなく、その目的の連鎖(連関)を考えていくことがポイントです。

 
社会的価値を創造していく上で考えるべき社会課題を以下の図に列挙します。

 

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