問題の認識

 私たちは理想と現実の違いに苦悩して生きています。目の当たりにしていることが現実であり、自分の思い描いた理想はなかなか実現しません。しかし、目の当たりにして自分が感じている現実は、感性の異なる他人から見れば違う現実として映るかも知れません。自分が目の当たりにしている現実が事実であると認知されるためには、誰の目から見ても同じように認知されなければなりません。すなわち、事実は、客観的に捉えられる事象です。自ら考えて行動するに際しては、自分の感性で認知している現実ではなく、誰の目から見ても同じように認知されている事実に基づいて行動しなければなりません。
 

問題をどう認識するか

 問題意識が無いことにより引き起こされる問題は深刻です。問題への認識が欠落してしまうのは、事実に直面してもなお、①その事実に関心がなく見ていても見えない(見過ごしてしまう)、②不愉快なことに背を向けてしまう、③目先のことだけに囚われて深慮遠謀の問題については先送りして何も考えない、④きめ細かな心遣いができない、⑤想像力が不足して問題を認識するに至る思考がなされていないことにより生じます。
 問題認識自体に問題があるという問題も、問題意識の欠如と同様に深刻です。企業経営においては、例えば、売上や利益が減少したという事実は共有され、共通の問題として認識されます。この問題を深堀するために “何故-何故-何故…” を繰り返して自問していくと、根本的には組織文化の問題に行きつくことがあります。しかし、そうした場合でも、組織文化そのものの問題には触れることなく、あるいは、自らの組織の有り様が社会変化の中でどう変革していくべきか思考されることなく、短期的な改善に終始してしまうことがあります。そして、こうした過程を経て 問題認識の問題が内在化されていきます。

 人の思考できる範囲には限界があり、私たちは無意識のうちに、問題を認識する際に思考の枠を設けてしまうことがあります。この 問題意識の欠如、問題認識の問題に対処していくためには、思考の限界を乗り越えて思考する仕組み(手順)が必要であり、その仕組みに則って適切に“問題を認識”していくようにしなければならなりません。具体的には、ある時点の知識(最先端の知見、社会の中に浸透している規範)の範囲内で最大限に効率よく思考していくために、①事実を大局的に捉える、②事実を深堀する、③事実を具現化した問題としてより一般化し抽象化して広く捉える、④経営の側の視点だけでなく、消費生活や社会の視点から多角的にものごとを捉えるといった様に、思考プロセスを手順化し習慣化させていくようにします。
 

問題をどう解決するか

 自ら考えて行動するために、思考方法を共有する必要があります。この思考のプロセスを共有することで、協働する仲間が何を考えているかをこと細かに聞くことなく察することが可能になります。問題解決手法は、いわゆる論理思考として一般化された知識となっています。しかし、自ら考えて行動するには、これら初歩的な知識だけでは不十分です。未来社会において存在価値のあるビジョンを描くための思考方法としては、目的思考とメタ思考、メタファーとデフォルメ、アウフヘーベンが有効です。
 一方、ビジョンを実現するために自ら考えて行動するには、一人ひとりがこうした思考を逐一採用していく必要はありません。むしろ、組織のダイナミズムとして、周囲の状況の変化に素早く柔軟に適合させていく問題解決思考には、仮説法(アブダクション)により、論理思考(演繹的思考や帰納的思考)で補完していくことの方が的確な解を得ることができます。
 

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