目的思考

 忙しい日々を過ごしていると、ついつい目的を見失ってしまいます。そして、様々な局面でものごとを合理的に判断しようとして、演繹的思考や帰納的思考といった論理思考に陥ってしまいがちです。しかも、ビジネスの世界では、常に結果が求められるため、まだるっこい話しはともかくとして、とにかく結論を示せと迫られることが多いというのが実態です。

1.何故、目的思考なのか

 しかし、論理思考には「問題に対する捉え方の範囲や前提条件の設定」に問題が内包されている可能性があります。日々の様々な局面において真に正しいと思っていても、実は、不十分な前提に立った論理思考に頼っていたばかりに、不備のある結論を出すことにもなってしまいます。さらに、組織において論理思考によって一つの方向が決まってしまうと、誰も責任を取りたくないから、組織全体として道を誤り続けて問題を深刻化させていくことになります。
 世の中が多様に変化し、常に様々な状況や利害が複雑に絡み合う中で、最も重視しなければならないことは「目的」です。錯綜する情報の海にあって、ぶれずにまっすぐ進んでいくためには「目的」が見えていなければならなりません。

2.目的思考の進め方

目的思考の手順Trigonal Thinking (TM) との関係を「表 目的思考の手順」に示します。

 「目的」が実現されるために何が実現されていなければならないかを遡って考え(バックキャスティング)、その遡っていく過程で、今ある状況との乖離を把握していくと、そこに問題の認識が生まれます。多様な状況にあっては「目的」から遡って考えるこの問題認識の過程が重要です。

2.1.目的思考の前提として留意すべきこと

 ここで、単に、現状と目的の間にあるギャップが問題であるというのではないということに注意しなければなりません。最も大事なことは、「目的」を「目の前に起きていることばかりに囚われて設定してはならない」という点です。まずは、この問題意識にある問題(欠落)を取り除いて、真の問題は何かををきちんと認識することから「目的思考」を始める必要があります。

  • 目の前で見えていることに囚われずに問題を捉えること
  • これまでやってきたことだからということに囚われずに問題を捉えること
  • 自分の行動様式や思考に取り入れられている慣習や習慣に囚われずに問題を捉えること
  • 個々の殻を打ち破って問題を捉えること
  • 社会規範(人権の尊重、自然環境への配慮、法令遵守等)や倫理を踏まえた上で問題を捉えること
  • 大局的に、社会を俯瞰して問題を捉えること
  • 普遍的に求められていることから問題を捉えること
  • 上記を踏まえた上で、あるべき理想と今の事実との間に生じている矛盾に思考を掘り下げて問題を捉えること

『目的思考』にご興味のある方は サステナブル・イノベーションズ株式会社宛に お気軽にお問い合わせ下さい。