変革の原理

 今、世界では、多様性と包摂性が大事だと考える人が増えています。しかし、その一方で、自分や自分達の利益を最優先に考える人々も多くいます。自分にとって利益となるものなのか、利益とならないものなのかで、ものごとを選り分けて捉えようとする分断の思考が社会を混乱へと導いています。これは、誰にとってもの合理性のある思考ではありません。
 
 自分だけではなく同じ地球上で暮らしている人たちにとっても、そして、今の世代の自分たちだけでなく将来の世代の子どもたちにとっても、豊かに暮らしていける権利があるということをまず第一に考えよう、そうした権利を考えることこそが大事だと考えよう という方向に向かっていくものにしていかなければなりません。

時代は新たな変革期にある

 今、我々が生きている21世紀という時代を20世紀と比較して概観するならば、以下のようになります。
 
【20世紀は、大量生産・大量消費の時代】

誰もが、人よりも早く思考して行動し、思ったことを実現させるべきだと考え、市場主義や競争原理で動いていました。人よりも早くできるだけたくさん儲けて事業を拡大し、資本を集めて事業を成長させようとしてきました。それが人としての憧れでありサクセスストーリーでした。

【21世紀は、人権と自然環境を重視する時代】

ごく少数の勝ち組と、大多数のそうでない人との経済格差が広がる中で、人々は自分のパーソナリティを最優先に考えるようになり、経済格差を広げる成長以上に、人として豊かに暮らしていける権利、将来の子どもたちも我々世代と同様に地球環境の中で豊かさを追求して生きていける権利を求めるようになりました。

 世界はリーマンショックという経済危機、パンデミックという社会危機に直面し、人々は、そのたびにニューノーマル(新たな常態)への変革を求めてきました。人々は平常時には変化しようとは思いませんが、危機に瀕すると、それをなんとか乗り越えるために変化しなければならないと思うものです。
 
 今という時代は、人々が、パンデミックという社会危機を乗り越えるために、必然的に社会が変容しなければならないと思っている、まさに『変革のとき』にあります。
 

直面する危機を乗り越えていくために唯一可能な方法は、社会変容を受け容れていくしかない

 現実的に、人は、自分が置かれている立場から、目の前にあることを捉えて思考し、判断し決断し、行動してしまいます。それは、今日明日の利益だったり、トレンドの技術だったり、プロセスだったり、すぐに対処しなければならない問題だったりします。
 危機に直面すると、人は生きていくために何とかしようとしますが、地球規模で起きている社会危機に対しては無力でしかありません。茫然自失とするばかりですが、そうした状況にあって、人は、自分がこれまでやってきたことはなんだったのだろう、自分の本当にやりたいことはなんだろうと自問し、本当にやりたいことをなんとかやり遂げようと決意し、やがては使命感を抱くようになり、対症療法ではなく抜本的な解決策を求めるようになります。
 
 人というものは、直面する危機を乗り越えていくために、社会変容を積極的に受け容れ、自ら社会変容に向って突き進んでいくようになっていくものなのです。
 

『変革の原理』の深化:多様性や包摂性が求められる社会にあって自分の存在価値を生かしてく

 今は、20世紀におけるような大量生産・大量消費の社会を動かしていく歯車となって生きていく一様性が求められる社会ではありません。
 多様性や包摂性が求められる社会は、むしろ、自分が自身の存在価値を意識して、自分らしく生きていけるようにならなければならない社会でもあります。多様性や包摂性が求められる社会では、以下に記すように、これまでの効率や利便性を追求するばかりではなく、また、経済合理性を追求するばかりのものではなくなります。

  • 社会:多様な人々が暮らせる共生の社会、包摂的で多様性が生かされる社会、お互い様で結びついている社会
  • 政治:オープンに事実が開示され、政策決定のプロセスが開示され、一人ひとりが政策を選択できる政治
  • 経済:市場原理、競争原理ばかりではなく、社会発展と折り合いをつけながら発展していく経済
  • 個人:公権力からの確固とした自由の下で、一人ひとりが平等に自立し、事実に基づいて判断し自律して行動できる個人
  • 生き方:場所に拘束されないライフスタイル、時間に拘束されないライフスタイル

 多様性や包摂性が求められる社会にあって、こうした変化こそが今起きている社会変容の本質であり、社会変容の本質こそが、①『変革の原理』によって追求していくべきことであり、②自分の存在価値を生かして果敢に取り組んでいくべきことなのです。
 
 

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