経済的価値を創出する

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近代化(ポストモダニズム)の時代にける新規事業は、その市場性から評価される。こうした風潮は、脱近代化(ポストモダン)の社会になった21世紀にも変わりはない。市場性評価にしても販売戦略にしてもSTP/MMで考えるのが常であり、投資や融資の可否もSTP/MM/PL(Product Life cycle)に基づく投資回収性で評価される。 一般に、大手企業は、企業ブランドもあり財務基盤も比較的強いと思われていることから、投資や融資も受けやすい。しかし、巨大化した組織を維持する固定費は大きく、安易に新市場開拓型のイノベーションには飛びつきにくい。未来社会の価値を創造するという発想では、その事業に投資することはできない。目の前の利益を求める株主が未来社会の価値を創造する事業に賛同する筈もない。 しかし、既存の事業は、漸進的なイノベーションを続けたとしても、やがては廃れていくだけである。日本の人件費水準では、ローエンドの市場開拓型イノベーション戦略をとることは難しい。こうした状況を打開できる方策は、唯一、未来社会の価値を先読みして、新市場開拓のイノベーションを“Think Big but Small Start”で育てていくことである。ベンチャー企業は経営資源が乏しいために自ずとこの戦略をとらざるを得ない。 “Think Big but Small Start”戦略のプロダクトは単発の利益を狙う訳ではない。市場を通して徐々に技術を磨き上げ、積み重ねて蓄積した「知」を差別化要因にして市場を制覇していく。そこに、未来社会の持続可能な発展につながる価値を創造しえたならブランド価値を高めることにもなる。 この戦略の味噌は、“Think Big but Small Start”型のプロダクトを、一貫した未来社会の持続可能な発展のビジョンを持ち続けてバージョンアップしていくことである。そのためには、常に、要素技術を進化させていくロードマップを描いて取り組んでいくことである。かつて、インテル社の創業者の一人であるゴードン・ムーアが「ムーアの法則」を示した様に、また、米国の未来学者レイ・カーツワイルがシンギュラリティを提唱している様に、未来社会の持続可能な発展のビジョンに、深遠な法則を持ち込むことができれば、社会はそこに向かって動き出していく。


【認識すべき課題】 (時代背景、社会問題と背景要因)

  1. 日本においては、高齢化と少子化が進むことで人口減少社会となり人手不足が社会問題となってきている。世界においては、人口増大へと向かっている一方で、中国やインドなどの人口の多い国において人口オーナス社会化に向かっている。
  2. IoT、ロボットや人工知能技術は、職場、及び、社会生活への適用の場を増やしつつある。ロボットや人工知能技術が進化しシンギュラリティ(技術的特異点)に到達すると、未来社会がこれまでとは異なる次元に突入していくとも言われている。
  3. 日本の産業行政は、目の前の技術の枠組みに囚われるだけであり、例えば、インダストリー4.0などの発想を超えて、未来の技術を見据えた社会の発展に思いを至らせていない。世界的に経済格差が拡大するだけでなく成熟経済化していく。地方政府は地域の利益を確保するために独立意識が高まり、大国同士も自国の利益ばかりを主張するようになっていく。
  4. 21世紀型の経営においては、社会の多様なニーズに応えていくために、また、個々夫々に関わりのある様々な社会的課題を多様な視点を持っている人達が解決していくことになる。
  5. 経済合理性の発想によらず、ウェルビーイング、クオリティオブライフの発想に根差した産業への転換を図っていくことになる。
  6. 21世紀型の経営において、プロダクトの経済性は、①未来社会に向けた差別化価値(既存と異なる優位性)、②STP/MM/PL(Product Life cycle)、③要素技術の進化の過程とロードマップ、④ビジネスフィージビリティによって評価される。

【未来における社会的価値の創造】

  1. 持続的イノベーションによって、未来社会にとって新たな公益となるプロダクトを創造する。
  2. ディスラプティブ・イノベーションによって、未来社会にとって新たな公益となるプロダクトを創造する。


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