新資源、新素材の社会になる

提供: PicoWiki
移動: 案内検索

新資源、新素材の開発は社会に色々なイノベーションを巻き興す。 新素材と言えば、アモルファス金属、ファインセラミックス、高分子材料を挙げることができる。また、カーボンファイバーは、色々な分野での応用が進んでいる。しかし、近年、注目を浴びているのはナノテクノロジーである。ナノマシンは、ナノキャリアやバイオイメージングが医療分野での技術革新として期待され、ナノ粒子は、照明やディスプレイ素材として活用されている。ナノエレクトロニクスは、マイクロエレクトロニクス分野との新結合として太陽光発電に期待が集まっている。 新素材に期待される効果としては、一般に、強度、柔軟性、耐久性、耐熱性、耐腐食性等、伝導率、抗菌性、絶縁性、肌触り、触媒、低コスト、リサイクル可能性等を挙げることができる。しかし、①ムーアの法則の限界が近づいている今日においては、マイクロエレクトロニクス分野でのポストシリコンの素材として、②高度医療の技術基盤として、③オイルピークが懸念される中での脱化石燃料型の産業基盤として、④地球温暖化が進む中での再生可能エネルギー分野での素材として、⑤地球環境にやさしい素材(原料の採取が地球環境を破壊しない、再利用率が高い、廃棄しても地球環境を破壊しない等)として期待される。 未来社会にどの素材を使っていくかは社会と市場が決める。これまでは経済原理(大量生産がコストを引き下げ、より優れた製品だけが市場で生き残る)が決めていたが、これからは、どんどん増大する人口に対して地球資源は限りがあり、また、地球温暖化を食い止めなければならず、こうした地球規模での問題を解決していく技術を社会が選択していくことになる。さらには、高度医療の進化や人の能力を超えるロボットや人工知能技術の進化は未来社会をより生きやすく変革していく。新資源や新素材はこれら進化を可能ならしめる社会的な基盤となっていかなければならない。 素材産業は典型的な装置産業でもある。かつては、装置産業は労働集約型産業でもあったが、無人化をしやすい高生産性を期待できる産業分野でもある。新素材は付加価値の高い製品でもあり、日本の高度なモノづくり技術を生かし、最終製品との連携や産業集積化(地域集積化ではなく、ビジネスエコシステムとして最適化されたサプライチェーン)を図れば、新産業での日本独自の競争優位性を誇れる分野となる。日本の産業全体としての高付加価値化が求められる中で、この分野においても、国の戦略事業としても、民間企業の研究開発としても、大きな投資をしていくべきであろう。


【認識すべき課題】 (時代背景、社会問題と背景要因)

  1. 分子工学やナノテクノロジーにより、新素材の開発が進んできている。
  2. プログラム可能な物質、ナノマシン(ナノロボット)が進化していく。

【未来における社会的価値の創造】

  1. 地球の自然環境から採取できる資源には限りがあり、やがては枯渇していく。新素材は代替資源として利用される。
  2. 新素材は、新たな価値、すなわち、強度、柔軟性、耐久性、耐熱性、耐腐食性等)、伝導率、抗菌性、絶縁性、肌触り、触媒、低コスト等を実現する。


関連事項





【Top page】 Business Knowledge Network経営の視点
【Chenge View】 社会問題暮らしの問題