哲学、社会学、心理学

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人は、自分の思いつきに感嘆するものである。また、経験知や学んできた知識、自我(エゴ)に執着するものである。 色々な思いつきは、自分では新発見であっても、紀元前5000年頃から以降に残っている人類の歴史の中では、その殆どが考え尽くされた事柄も多い。特に、哲学は、人間の知的発達の過程で形成されえきた深遠な思考を概念化しており、未来社会の価値を創造していく上でも普遍的な思考の助けになる。組織における心理学の分野では、人の欲求や意識の発達の過程、組織の中での共通認識の形成について明らかにしてきている。社会学では、近代化(モダニズム)から脱近代化(ポストモダニズム)、脱・脱近代化(ポスト・ポストモダン)を通して社会の発展の底流に流れる人の思考、例えば、合理主義を支える還元主義、多様化への流れを支える多元主義に基づく思考の系譜から、社会の趨勢の捉え方を教えてくれる。 これら学問領域はリベラルアーツ(日本語では一般教養と訳されている)と総称されているが、未来社会に向けた価値を創造していく上では欠かすことのできない知的な基盤、すなわち、人類が蓄積してきた知性である。新たな技術を社会に普及させ浸透させていくには、まずは、これら知性に照らして、未来社会の持続可能な発展にとってどんな意味があるのか吟味する必要がある。 目先のニーズに囚われていると、知性に基づく意味の検証はできない。知性に基づく意味の検証が可能なまでに新たな技術やアイデアを根源的に深めて、あるいは、メタレベルを高めていくことが必要なのである。


【認識すべき課題】 (時代背景、社会問題と背景要因)

  1. 21世紀型の経営モデルでは、企業は社会の一員として社会とつながり、従業員も生活者として社会とつながっていて、社会と企業と従業員が一体化してつながっていく。
  2. 個人主義の枠組みを超えて、人権が重視され個人が自立し自己の実現を求めて自律していく社会となる。
  3. これまでの教育は労働市場が求める人材の育成に偏っていた。また同様に、多くの企業研修のみならず、企業経営の考え方そのものも、高度経済成長期の成功モデルに根差したものに偏っていた。
  4. 人が自律して行動していくためには、思いつき、経験知、ルール、自らの思いだけでは足りない。

【未来における社会的価値の創造】

  1. 社会の多様なニーズに応えていくために、また、個々夫々に関わりのある様々な社会的課題を多様な視点を持っている人達が解決していく。
  2. 自分の存在理由や生きる目的を深く考える学習能力、周りとの関係性から真実の生き方を模索し共感していく高次の感性、自我や自己実現の先にある自己を超越した思考ができる様になるためには、哲学、心理学、社会学、脳科学等といった知を考えていくための、すなわち、考えるためには何を考えるべきかを問える学問を学ぶ必要がある。


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