ネオコズミックの社会になる

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宇宙開発は夢のある話しである。かつては、軍事利用の主戦場でもあったが、これからは、人類のための平和利用が進むと良い。 今、民間事業者が低価格で超小型の人工衛星を打ち上げたり、宇宙観光という新たな事業を企画したりという取り組みが進んでいる。月に基地を設けて火星等に人を送り込む計画もあり、火星への移住のためのテラフォーミングの構想も考えられている。また、宇宙の成り立ちや生命の起源を探るためのミッションも数多くある。 10億年で太陽の温度が10%上昇するとも言われており、10億年後の地球の地表温度は400℃に達するという。それまでには、人類は、地球上の他の生物と一緒に地球以外の星に移り住まねばならない。生命が誕生したのが40億年前、シアノバクテリアの出現が32億前、多細胞生物の出現が10億年前、カンブリア爆発が5.5億年前、恐竜が絶滅したのが6500万年前、最初の猿人が出現したのが650万年前、ホモ・サピエンスが出現したのが20万年前と言われている。また、超大陸パンゲアが形成されたのが2.5億年前で分裂したのが2.0億年前と言われている。これらと比べると、10億年後を考えた人類移住などというのは無意味な計画の一つになるかも知れない。 温暖化ガスによる地球環境の破壊が進んだ先にあることは見越せていない。逆に、氷河期になって北半球の主要都市が数百メートルの氷に覆われるのは確実な話しと思われる。大規模な太陽嵐によって電気に依存する文明は崩壊するかも知れないし、大規模な割れ目噴火やカルデラ噴火が起きれば地球は火山灰に覆われて一気に冷え込んで食料危機が起きる。遠い宇宙からやってくるガンマ線バーストが突然、地表を焼き尽くすかも知れない。隕石や彗星の衝突も懸念される。こうした事態に備えることは必要かも知れない。しかし、何よりも怖れておかなければならないことは、人類が食料資源やエネルギー資源を使い果たし、再生不可能なまでに枯渇させてしまうことによって、至る所で紛争が起きることであろう。いずれにしても、突然に降りかかる人類を絶滅させる災害に備えることは起きてからでは手の打ちようもない(ある意味、無意味であろう)。その場合は、生き残った人類や生物が、新たな環境で再スタートするしかない。 民間企業による宇宙の利用が産業化することで、未来の社会がどの様に、また、どれほどに発展しうるかについては十分に考えておくことが必要である。コンステレーションによる通信の更なる大容量高速化とGPS機能の精度向上は社会のモビリティを更に進化させ、鉱物資源の探索、気象の予報精度の向上、新素材の開発等は、新たなイノベーションを巻き興す基盤(イノベーションを巻き興すイノベーション)となりうる。 ネオコズミック社会の到来を夢見ることは、決して荒唐無稽なことではない。むしろ、ネオコズミック社会の到来は、未来社会におけるイノベーションを生み出す、新たな経済成長の原動力となる分野の芽生えと捉えるべきである。


【認識すべき課題】 (時代背景、社会問題と背景要因)

  1. 国による人工衛星の打ち上げの時代からは民間企業による打ち上げの時代となっていく。民間企業による打ち上げは、宇宙観光や民間の宇宙空間を利用したビジネスの採算性を確保するために低コスト化が進んでいく。
  2. 将来的な地球規模での人口増大により、地球資源の不足や枯渇が危惧される。また、太陽の温度の上昇(10億年で10%上昇)、太陽の赤色巨星化(40億年後)を考えると、人類はやがては地球以外に移住しなければならない。

【未来における社会的価値の創造】

  1. 宇宙の利用は、宇宙ステーション、GPSや通信衛星、観測衛星(偵察衛星、気象衛星)、望遠鏡、地球以外の天体の観測といった国家予算規模の利用以外に、民間事業としての宇宙旅行、小型衛星によって公益的利用のみならずパーソナル利用が進展していく。
  2. 月をベース基地とした火星を人間が住める環境に変えていくテラフォーミング計画が構想されている。
  3. 生命の起源を探る研究が進み、系外惑星の調査が進んでいく。


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