システムの創造

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ここで扱う「システムの創造」は、単に業務システムの構築のことを指してはいない。未来社会の価値を創造するという視点に立つならば、未来社会の持続可能な発展を実現していくシステムを創造すると言い換えることもできる。 それは、例えば、ロボットや人工知能技術の進化を社会の発展に役立てていくことのできるシステム、地球環境や生態系における多様性を保護するためのシステム、人々が心豊かに暮らしていく社会のシステム、組織に隷属することなく自立した個人が社会ともつながりながら働いていける働き方のシステム、経済格差を生み出すことなく経済成長を生み出していく投資のシステム等といったものを挙げることができる。もちろん、ソーシャルネットワークやコンピュータアプリケーションの活用も含まれるが、単に、道具(あるいは、実現するための方法論)をどうするかといったことではなく、人間の社会的営み、及び、経済的営みを捉えたシステムである。 そして、これらシステムをプロダクトに置き換えるならば、上記を促進し動かしていくことのできる新たなビジネスのモデリング、新たなケイパビリティの構築、あるいは、「経営革新」「組織改革」「業務プロセス改革」のフレームワークの創造といったことになる。 未来社会に向けた価値を創造するシステムを考えていく上で念頭に置いておかなければならないことは、社会的課題の解決にせよ、新たな価値にせよ、様々な要因や因果が複雑に絡み合っているとうことであり、単一のテーマに関する解(目の前のニーズを満たす商品、課題を解決するソリューション)ではなく、重層的な解が必要であるということである。そしてそのためには、問題や解を抽象化して高い視点から捉えて、かつ、色々な視点から広く考え、経済合理性や社会性等から善し悪しを多面的に考察し、具体的に抜本的な解決につなげるために深掘りをしていくことが必要である。


【認識すべき課題】 (時代背景、社会問題と背景要因)

  1. IoT、ロボットや人工知能技術は、職場、及び、社会生活への適用の場を増やしつつある。ロボットや人工知能技術が進化しシンギュラリティ(技術的特異点)に到達する。ロボットや人工知能と共生することにより生産性が高まっていく。
  2. 個人主義の枠組みを超えて、人権が重視され個人が自立し自己の実現を求めて自律していく社会となる。人の担うべき役割は創造性が求められる仕事へと移っていく。特に、日本人の生活は仕事を中心にまわしていくものに固定概念化されてきた。21世紀型の経営においては、経済合理性の発想によらず、ウェルビーイング、クオリティオブライフの発想に根差した産業への転換を図っていくことになる。
  3. 21世紀型の経営においては、社会の多様なニーズに応えていくために、また、個々夫々に関わりのある様々な社会的課題を多様な視点を持っている人達が解決していくことになる。企業も社会の一員として事業を通して社会的課題の解決を図っていかなければならない。
  4. 21世紀型の経営において、プロダクトの経済性は、①未来社会に向けた差別化価値(既存と異なる優位性)、②STP/MM/PL(Product Life cycle)、③要素技術の進化の過程とロードマップ、④ビジネスフィージビリティによって評価される。
  5. 21世紀型の経営において、プロダクトによる経済効果は、①公益的な利益、②社会的課題を放置することによって生じる経済的損失、③経済的損失の回避額、④経済的損失の低減額、⑤経済的損失の移転に必要な費用と低減額、により総合的に評価される。


【未来における社会的価値の創造】

  1. 人が担うべき仕事とロボットや人工知能が担うべき仕事の役割分担によって、時間や場所に拘束される仕事に追われる日々から解放され、より時間的にゆとりのある生活を送くれるようになる。人はより自分らしく自己実現に結びつく仕事、更には、自己を超越して他者や自然環境とも一体となり、社会の発展に結びつく仕事に集中できるようになる。
  2. ロボットや人工知能が担うべき仕事の役割分担をすることで生産性が向上する。経済合理性の発想によらず、ウェルビーイング、クオリティオブライフの発想に根差した産業への転換を図っていく様になる。人に求められるのは創造的な仕事となる。その実現のためには、組織や人の行動のケイパビリティを高めていく必要である。
  3. 組織や人の行動のケイパビリティを高めるために、①組織(チーム)が持つスタティックケイパビリティとダイナミックケイパビリティ、②個人の能力、③働き方の環境(物理的な環境、設備、人間関係、人事評価制度)、④社会環境をシステマティックに整えていかなければならない。
  4. 21世紀型のプロダクトには、組織(チーム)が持つスタティックケイパビリティとダイナミックケイパビリティ、個人の能力を高めていくことのできるシステム(業務システム)を開発するサービス、システムを開発する自動化システム(あるいは、開発を支援するスステム)、開発したシステムの運用を支援するシステム、システムの運用を支援するロボットや人工知能が装備されていなければならない。


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