「マーケティング戦略論」の版間の差分

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<pre style="font-weight: bold; font-size: 14px;">成熟社会におけるマーケティング戦略論</pre>
 
<pre style="font-weight: bold; font-size: 14px;">成熟社会におけるマーケティング戦略論</pre>
 
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<p style="font-size: 20px;">事業を取り巻く環境の変化を市場全体を分析する</p>
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<p style="font-size: 20px;">商品のライフサイクルとマーケティング目的から戦略を考える</p>
 
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現実問題として、長期にわたり様々な事業を展開していると、ニーズの多様化や競合他社との競争の過程で、様々な商品系列や商品が、置き換え/カニバリ(共食い)/補完/相乗仕合いながら生み出されていく。しかし、それら全てを維持していくにはコストがかかり、やがては整理統合が必要になってくる。
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*個々の商品系列や商品の誕生から消滅の過程を見ていくと、いわゆるプロダクトライフサイクル(導入期、成長期、成熟期、衰退期)の過程を経て生み出され消えていく。
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*需要の誕生から消滅の過程を見ていくと、ゼロ需要、潜在需要、顕在需要、低迷化する需要、買替需要、減少需要の分類して考えることができる。
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*マーケティングの目的も、需要の誕生から消滅の過程に即して、市場の創造、市場の開拓、市場の拡大、市場の維持、市場の挽回、市場の再活性化、市場の再編へと変遷していく。
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*マーケティング戦略の考え方の一つにマーケティングミックス戦略がある。「製品戦略」「プロモーション戦略」「価格戦略」「チャネル戦略/店舗展開戦略」を様々な市場環境に合わせて最適な組み合わせで戦略を考える方法である。
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しかし、本来、これらは個々に考えるべきものではなく起こりうるケースで組み合わせて、商品系列や商品戦略を考えていくことが必要である。
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=== 導入期にある商品のマーケティングミックスを考える ===
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ゼロ需要、潜在需要に対しては市場創造のマーケティングミックス戦略を考える必要がある。
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*<strong>製品戦略</strong> 標的客層の選定、用途・効果・利便性の創造、優位性・新規性・付加価値機能の開発
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*<strong>プロモーション戦略</strong> 販促標的客層の選定、ブランドイメージの創造と発信、ブランド名の創造と発信
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*<strong>価格戦略</strong> 想定客層に対する価格帯の設定(上層価格・浸透価格戦略の選定)
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*<strong>チャネル戦略</strong> 販売地域の選定、流通チャネルの構築
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顕在需要に対しては出遅れて先に奪われた市場を早期挽回するマーケティングミックス戦略を考える必要がある。
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*<strong>製品戦略</strong> 標的客層の厳選(絞り込み)、用途・効果・利便性の厳選(絞り込み)、優位性・独自性・付加価値機能の厳選(絞り込み)
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*<strong>プロモーション戦略</strong> 販促標的客層の集中化と強化、知名度の拡大、優位性認知度の浸透
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*<strong>価格戦略</strong> 競争優位価格帯の設定
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*<strong>チャネル戦略</strong> 販売地域の集中化、流通チャネルの開拓と確保
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=== 成長期にある商品のマーケティングミックスを考える ===
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潜在需要に対しては市場開拓のマーケティングミックス戦略を考える必要がある。
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*<strong>製品戦略</strong> 標的客層の開拓、用途・効果・利便性の追加、優位性・独自性・差別機能の開発
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*<strong>プロモーション戦略</strong> 販促標的客層の追加、商品/ブランドイメージの発信、優位性の認知化
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*<strong>価格戦略</strong> 想定客層に対する価格帯の設定(上層価格、浸透価格の選定)
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*<strong>チャネル戦略</strong> 販売地域の追加、流通チャネルの追加
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顕在需要に対しては市場拡大のマーケティングミックス戦略を考える必要がある。
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*<strong>製品戦略</strong> 標的客層の拡大、品揃えの拡充(多様性への対応)
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*<strong>プロモーション戦略</strong> 販促標的客層の拡大、商品/ブランドイメージの発信先拡充と認知度拡大
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*<strong>価格戦略</strong> 品揃え向け価格帯の設定(浸透価格戦略の重点的強化)
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*<strong>チャネル戦略</strong> 販売地域の広域化、流通チャネルとの関係強化
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=== 成熟期にある商品のマーケティングミックスを考える ===
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低迷化する需要に対しては市場維持のマーケティングミックス戦略を考える必要がある。
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*<strong>製品戦略</strong> きめ細かい標的客層の設定、品揃えのきめ細かい対応
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*<strong>プロモーション戦略</strong> 標的客層への販促の集中化と強化、商品/ブランドの知名度の維持、優位性認知度の維持
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*<strong>価格戦略</strong> 競争優位価格帯の設定、廉価版への対応(カテゴリーキラーへの対応)
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*<strong>チャネル戦略</strong> 販売地域での強化、流通チャネルの強化
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バージョンアップやモデルチェンジ等により買替需要に対しては市場の再活性化のマーケティングミックス戦略を考える必要がある。
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*<strong>製品戦略</strong> 標的客層の見直し、着眼点や発想の転換、優位性・付加価値機能の再構築
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*<strong>プロモーション戦略</strong> 販促標的客層の見直し、ブランドの知名度の維持、優位性認知度の維持
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*<strong>価格戦略</strong> 低価格戦略(浸透価格戦略)と付加価値価格(上層価格)の併用
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*<strong>チャネル戦略</strong> 集中販売地域の組替え、流通チャネルの組み替え
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=== 衰退期にある商品のマーケティングミックスを考える ===
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減少する需要に対しては市場再編成のマーケティングミックス戦略を考える必要がある。
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*<strong>製品戦略</strong> 標的客層の再編成、新用途・新効果・新利便性の付加、新付加価値機能の開発
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*<strong>プロモーション戦略</strong> 新効果・新利便性による旧効果・旧利便性の置き換え喚起
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*<strong>価格戦略</strong> 価格帯の再設定
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*<strong>チャネル戦略</strong> 販売地域の新用途・新効果・新利便性に対応する組み替え、流通チャネルの新用途・新効果・新利便性への移行
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2016年9月28日 (水) 03:31時点における版

成熟社会におけるマーケティング戦略論


商品のライフサイクルとマーケティング目的から戦略を考える


現実問題として、長期にわたり様々な事業を展開していると、ニーズの多様化や競合他社との競争の過程で、様々な商品系列や商品が、置き換え/カニバリ(共食い)/補完/相乗仕合いながら生み出されていく。しかし、それら全てを維持していくにはコストがかかり、やがては整理統合が必要になってくる。

  • 個々の商品系列や商品の誕生から消滅の過程を見ていくと、いわゆるプロダクトライフサイクル(導入期、成長期、成熟期、衰退期)の過程を経て生み出され消えていく。
  • 需要の誕生から消滅の過程を見ていくと、ゼロ需要、潜在需要、顕在需要、低迷化する需要、買替需要、減少需要の分類して考えることができる。
  • マーケティングの目的も、需要の誕生から消滅の過程に即して、市場の創造、市場の開拓、市場の拡大、市場の維持、市場の挽回、市場の再活性化、市場の再編へと変遷していく。
  • マーケティング戦略の考え方の一つにマーケティングミックス戦略がある。「製品戦略」「プロモーション戦略」「価格戦略」「チャネル戦略/店舗展開戦略」を様々な市場環境に合わせて最適な組み合わせで戦略を考える方法である。

しかし、本来、これらは個々に考えるべきものではなく起こりうるケースで組み合わせて、商品系列や商品戦略を考えていくことが必要である。

導入期にある商品のマーケティングミックスを考える

ゼロ需要、潜在需要に対しては市場創造のマーケティングミックス戦略を考える必要がある。

  • 製品戦略 標的客層の選定、用途・効果・利便性の創造、優位性・新規性・付加価値機能の開発
  • プロモーション戦略 販促標的客層の選定、ブランドイメージの創造と発信、ブランド名の創造と発信
  • 価格戦略 想定客層に対する価格帯の設定(上層価格・浸透価格戦略の選定)
  • チャネル戦略 販売地域の選定、流通チャネルの構築

顕在需要に対しては出遅れて先に奪われた市場を早期挽回するマーケティングミックス戦略を考える必要がある。

  • 製品戦略 標的客層の厳選(絞り込み)、用途・効果・利便性の厳選(絞り込み)、優位性・独自性・付加価値機能の厳選(絞り込み)
  • プロモーション戦略 販促標的客層の集中化と強化、知名度の拡大、優位性認知度の浸透
  • 価格戦略 競争優位価格帯の設定
  • チャネル戦略 販売地域の集中化、流通チャネルの開拓と確保

成長期にある商品のマーケティングミックスを考える

潜在需要に対しては市場開拓のマーケティングミックス戦略を考える必要がある。

  • 製品戦略 標的客層の開拓、用途・効果・利便性の追加、優位性・独自性・差別機能の開発
  • プロモーション戦略 販促標的客層の追加、商品/ブランドイメージの発信、優位性の認知化
  • 価格戦略 想定客層に対する価格帯の設定(上層価格、浸透価格の選定)
  • チャネル戦略 販売地域の追加、流通チャネルの追加

顕在需要に対しては市場拡大のマーケティングミックス戦略を考える必要がある。

  • 製品戦略 標的客層の拡大、品揃えの拡充(多様性への対応)
  • プロモーション戦略 販促標的客層の拡大、商品/ブランドイメージの発信先拡充と認知度拡大
  • 価格戦略 品揃え向け価格帯の設定(浸透価格戦略の重点的強化)
  • チャネル戦略 販売地域の広域化、流通チャネルとの関係強化

成熟期にある商品のマーケティングミックスを考える

低迷化する需要に対しては市場維持のマーケティングミックス戦略を考える必要がある。

  • 製品戦略 きめ細かい標的客層の設定、品揃えのきめ細かい対応
  • プロモーション戦略 標的客層への販促の集中化と強化、商品/ブランドの知名度の維持、優位性認知度の維持
  • 価格戦略 競争優位価格帯の設定、廉価版への対応(カテゴリーキラーへの対応)
  • チャネル戦略 販売地域での強化、流通チャネルの強化

バージョンアップやモデルチェンジ等により買替需要に対しては市場の再活性化のマーケティングミックス戦略を考える必要がある。

  • 製品戦略 標的客層の見直し、着眼点や発想の転換、優位性・付加価値機能の再構築
  • プロモーション戦略 販促標的客層の見直し、ブランドの知名度の維持、優位性認知度の維持
  • 価格戦略 低価格戦略(浸透価格戦略)と付加価値価格(上層価格)の併用
  • チャネル戦略 集中販売地域の組替え、流通チャネルの組み替え

衰退期にある商品のマーケティングミックスを考える

減少する需要に対しては市場再編成のマーケティングミックス戦略を考える必要がある。

  • 製品戦略 標的客層の再編成、新用途・新効果・新利便性の付加、新付加価値機能の開発
  • プロモーション戦略 新効果・新利便性による旧効果・旧利便性の置き換え喚起
  • 価格戦略 価格帯の再設定
  • チャネル戦略 販売地域の新用途・新効果・新利便性に対応する組み替え、流通チャネルの新用途・新効果・新利便性への移行



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