「経済環境変化を先取りして投資回収率の良い分野に経営資源を集中する」の版間の差分

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= 経済環境の変化や兆しを捉える =
 
= 経済環境の変化や兆しを捉える =
  
== 経済的環境の変化を社会全体の視点で捉える ==
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== 経済的環境の変化を様々な数値で捉える ==
*マクロ経済の視点
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*長期的にグローバル全体として経済動向を捉える
**長期的にグローバル全体として経済動向を捉える
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**OECDの経済予測、ILOの年次報告
***OECDの経済予測、ILOの年次報告
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*現在における日本の経済動向を捉える
**現在における日本の経済動向を捉える
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**日銀短観、政府の経済基調、国際収支統計、プライマリーバランス、日本国債等の格付け
***日銀短観、政府の経済基調、国際収支統計、プライマリーバランス、日本国債等の格付け
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**人口動態、社会保障の負担額、公共投資先と投資額
***人口動態、社会保障の負担額、公共投資先と投資額
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**GDP(名目と実質)、物価、企業の設備投資、在庫状況、有効求人倍率、完全失業率
***GDP(名目と実質)、物価、企業の設備投資、在庫状況、有効求人倍率、完全失業率
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**政策金利、為替レート、平均株価、金利、マネーサプライ、投資家の投資行動
***政策金利、為替レート、平均株価、金利、マネーサプライ、投資家の投資行動
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*足下の経済動向を捉える
**足下の経済動向を捉える
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**街場の景況観
***街場の景況観
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*企業の財務状況を捉える
 
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== 企業の財務状況を捉える ==
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*ミクロ経済の視点
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**売上、利益、キャッシュフロー、内部留保
 
**売上、利益、キャッシュフロー、内部留保
 
**総資産回転率、資本比率
 
**総資産回転率、資本比率
  
 
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== 経済的環境の変化を企業の財務状況の視点で捉える ==
== 変化の兆しを乗り越えるために付け加えるべき視点 ==
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*景気の動向(景気、基調判断)と財政状況(潤沢・逼迫、成長率)のどこに位置するかを考える
 
*景気の動向(景気、基調判断)と財政状況(潤沢・逼迫、成長率)のどこに位置するかを考える
 
**不況が長引くと景気刺激のために金融当局は政策金利の引き下げや量的緩和策を打ち出し、政府も公共投資によって市中にお金が回るようにとの政策を講じる。旧来は短期的視点での政策が通用したが、国・地方の財政が逼迫し財政規律の厳格適用と緊縮財政が求められるようになると、そうした政策は敬遠されて成長戦略が重要視される。一方、企業の財政状態も苦しくなり、事業への投資も縮小していく。金融機関も倒産のリスクを避けるために貸し渋りや貸しはがしを模索する。
 
**不況が長引くと景気刺激のために金融当局は政策金利の引き下げや量的緩和策を打ち出し、政府も公共投資によって市中にお金が回るようにとの政策を講じる。旧来は短期的視点での政策が通用したが、国・地方の財政が逼迫し財政規律の厳格適用と緊縮財政が求められるようになると、そうした政策は敬遠されて成長戦略が重要視される。一方、企業の財政状態も苦しくなり、事業への投資も縮小していく。金融機関も倒産のリスクを避けるために貸し渋りや貸しはがしを模索する。
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= 経済環境変化を先取りして投資回収率の良い分野に経営資源を集中するために =
 
= 経済環境変化を先取りして投資回収率の良い分野に経営資源を集中するために =
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== 投資回収率を考える ==
 
*企業経営で考えなければならないことは、個々の事業の短期的な業績ばかりではなく、企業全体としての成長とブランド価値の向上とである。
 
*企業経営で考えなければならないことは、個々の事業の短期的な業績ばかりではなく、企業全体としての成長とブランド価値の向上とである。
 
*そのためには、個々の事業について経営全体の視点から、研究開発費や設備導入に関わる初期投資、人的資源への投資、在庫投資などの運用コストを支払っても更にそれを上回る利益が得られるか、それを原資として新たな事業の開発が可能かどうか、すなわち、短期的な視点での投資利益率よりも、下記の費用に資金を投資し続けても得られる利益で回収ができるかという投資回収率が、経営上の投資判断として重要となる。
 
*そのためには、個々の事業について経営全体の視点から、研究開発費や設備導入に関わる初期投資、人的資源への投資、在庫投資などの運用コストを支払っても更にそれを上回る利益が得られるか、それを原資として新たな事業の開発が可能かどうか、すなわち、短期的な視点での投資利益率よりも、下記の費用に資金を投資し続けても得られる利益で回収ができるかという投資回収率が、経営上の投資判断として重要となる。
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**業務のマネジメントに要する費用(管理費)
 
**業務のマネジメントに要する費用(管理費)
 
**資金調達コスト 等
 
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2015年1月4日 (日) 12:56時点における版

ここでは、「経済環境変化を先取りして投資回収率の良い分野に経営資源を集中する」という課題に対して、どの様に変化やその兆しを捉えて、戦略を構想したらよいか説明して参りま。


経済環境の変化や兆しを捉える

経済的環境の変化を様々な数値で捉える

  • 長期的にグローバル全体として経済動向を捉える
    • OECDの経済予測、ILOの年次報告
  • 現在における日本の経済動向を捉える
    • 日銀短観、政府の経済基調、国際収支統計、プライマリーバランス、日本国債等の格付け
    • 人口動態、社会保障の負担額、公共投資先と投資額
    • GDP(名目と実質)、物価、企業の設備投資、在庫状況、有効求人倍率、完全失業率
    • 政策金利、為替レート、平均株価、金利、マネーサプライ、投資家の投資行動
  • 足下の経済動向を捉える
    • 街場の景況観
  • 企業の財務状況を捉える
    • 売上、利益、キャッシュフロー、内部留保
    • 総資産回転率、資本比率

経済的環境の変化を企業の財務状況の視点で捉える

  • 景気の動向(景気、基調判断)と財政状況(潤沢・逼迫、成長率)のどこに位置するかを考える
    • 不況が長引くと景気刺激のために金融当局は政策金利の引き下げや量的緩和策を打ち出し、政府も公共投資によって市中にお金が回るようにとの政策を講じる。旧来は短期的視点での政策が通用したが、国・地方の財政が逼迫し財政規律の厳格適用と緊縮財政が求められるようになると、そうした政策は敬遠されて成長戦略が重要視される。一方、企業の財政状態も苦しくなり、事業への投資も縮小していく。金融機関も倒産のリスクを避けるために貸し渋りや貸しはがしを模索する。
    • しかし、この時期にこそ低金利での融資が可能であり、成長戦略に沿った事業計画には国・地方の支援(助成金、補助金)が見込まれる。但し、日本では、事業のリスクを背負わない風潮が強く、資金力や担保力、投資した事業の失敗を穴埋めするだけの財力があればのことである。景気の動向と企業の財政状況のどこに位置するかを見極めた事業プランが求められる。
      • 今後の好景気と潤沢な財政状況下での事業の売上高成長率、投資利益率の状況
      • 今後の好景気と逼迫する財政状況下での事業の売上高成長率、投資利益率の状況
      • 今後の不景気と潤沢な財政状況下での事業の売上高成長率、投資利益率の状況
      • 今後の不景気と逼迫する財政状況下での事業の売上高成長率、投資利益率の状況


経済環境変化を先取りして投資回収率の良い分野に経営資源を集中するために

投資回収率を考える

  • 企業経営で考えなければならないことは、個々の事業の短期的な業績ばかりではなく、企業全体としての成長とブランド価値の向上とである。
  • そのためには、個々の事業について経営全体の視点から、研究開発費や設備導入に関わる初期投資、人的資源への投資、在庫投資などの運用コストを支払っても更にそれを上回る利益が得られるか、それを原資として新たな事業の開発が可能かどうか、すなわち、短期的な視点での投資利益率よりも、下記の費用に資金を投資し続けても得られる利益で回収ができるかという投資回収率が、経営上の投資判断として重要となる。
    • 売価と販売数量
    • 研究開発費と設備投資(初期費用)
    • 人件費(販売に関わる人件費、教育コスト等)
    • 在庫投資(仕入原価、製造原価)
    • ブランディング、販売促進に関わる費用
    • サービス提供に関わる費用
    • 業務のマネジメントに要する費用(管理費)
    • 資金調達コスト 等



関連事項

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