#28 顧客に選ばれるイメージの創造 (3) 選ばれる企業の条件

グローバル経済の時代。
人口減少問題と経済の低成長率に喘ぐ日本を離れ、新興国など経済成長率の高い海外に事業展開する企業が多い。今は、円安を背景にM&Aも花盛りである。
メーカーであれば、低コストの生産地で生産すること、市場に近い場所で生産することの何れの理由でも、現地に生産設備や人的資源を確保している企業を買収するというのは合理的な考えである。流通系にあっても、日本の高い品質をブランド力を活かしつつ、現地の販売網を持つ企業を買収した方が得策である。株主価値を考えた場合でも、その方が企業規模を手早く拡大でき投資利益率も増える。経営者も高い評価を得ることができる。

 

企業が社会の公器である。
提供する利便性なりその事業が実現する経済効果としても、また、雇用機会の創出と法人税の納税としても、売上を伸ばして成長を続けること、企業規模を大きくしていくことが望まれる。

 

規模の経済の追求
企業が大きく成長し大きくなれば信用も増える。ブランド力が高まり、市場からも広く認知されるようになれば、それだけでも宣伝効果を得られる。資本力を活かすことで、大量生産によるコストダウンを図ることもできる。販売促進にお金をかけることで、更なる販売機会創出につなげることもできる。

 

変化の激しい時代には経営にスピードが要求される。
事業が成功し、企業の規模が大きくなると、その一方で、成功した事業の成功体験や既得権益を守ろうとする潜在的な意識が、社会の変化に合わせた組織変容を阻害する。組織は硬直化し、重大な局面に際しても柔軟に対応できないという事態にもなりかねない。

 

情報技術が発展普及し、あらゆる情報がネットワークを通して世界中に広がる時代。
安心・安全に関わる事故も、内部通報制度も徐々に広がりでこれまで発覚しなかった法令違反の行為も、ブラック企業とされる行為も、企業イメージのダウンにつながる。すぐさま社会に知れ渡り企業のイメージを低下させる。信用を失った商品に対する不買の意識から売上もダウンし、それがまたブランド力低下を招き、負のスパイラルへとつながっていく。

 

人を大切にし、社会に貢献する企業が望まれる時代。
利益の追求、合理性の追求ばかりを優先させる企業に、社会が “No” を突きつける時代である。株主ばかりでなく、顧客も、従業員も、事業を展開する地域の住民の誰もが人権を尊重され、自然環境を破壊することなく大切に保護し育成されていかれなければ、誰も、その企業を支持しない。

 

変化を創造し、変化に適応し続けること。
今や、グローバル規模でものごとが展開し、時々刻々と変化している。
その中で、もっとも大事な要素は、クリエイティビティ(イノベーションを興しうること)、アジリティ(しなやかさ、変化に対して柔軟に変容しうること)、そして、サステナビリティ(社会の持続可能な発展に寄与でき、企業自体も社会の発展とともに持続し続けうること)である。

 

これからの企業には、売上の拡大、利益の追求、合理性と生産性の追求だけではなく、上記に挙げた様々な視点から、総合的に取り組んでいくことが求められている。人を中心に考えて社会の発展に貢献していくことと経済性、顧客が求めていることの重要性、時間的な優先度のバランスを取りながら貴重な経営資源を適正に活かしていかなければならない。これがこれからの選ばれる企業の条件であり、評価基準である。

 

サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役 池邊純一

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