#187 自分で問題を発見し解決していける

 ロボットや人工知能の技術が進化し、定型的業務や形式知に基づく知的作業を奪うとも言われている。また、人権が重視され個人が自立し、人は、夫々に社会の中における自己の存在目的を追求する自律して行動する社会となる。言われたことだけ、決められたことだけ行えば良いという発想では安定した仕事には就けなくなる。これからの時代において、人は、これまで以上に、自ら問題を発見し、自らその問題を解決していける能力が問われる時代となる。

人が担うべき仕事と人工知能やロボットが担うべき仕事の役割分担が進み、人に求められるのは創造的な仕事となっていく。人は時間や場所に拘束される仕事に追われる日々から解放されて、より時間的にゆとりのある生活を送くれるようになる。また、インターネットが生活の中に浸透してきたことにより、個人も社会とのコミュニケーションが可能となり、個人は企業を通してではなく、一人ひとりが社会とつながり、社会的課題と向き合いながら生きていく様になる。企業も社会の一員として、事業を通して社会的課題を解決していかなければならない。経営者だけでなく社会とつながっている個人の問題意識が企業内で共有され事業に活かされていかなければならない。これが、真の意味での組織における多様性である。

 人は自分の知っている世界でものごとを考える。そして、自分の経験や学んだ知識、通念、エゴ(自我)に思考が縛られる。ここに、問題意識の問題が生じ、問題意識の問題によって取り上げられ、あるいは、解決の方向性が狭められてしまう。特に、今の社会では、人々は、経済性や合理性、目標の達成や問題の因果といった思考に慣らされ、あるいは、その能力を高める様に訓練されて生きている。そして、そこから離れることに恐怖感さえ抱いている。自分で問題を発見し解決していけるということは、こうした自分の世界を乗り越えていけるということでもある。社会は時々刻々、日に日に変化していくものであり、あらかじめ思考を広げておいて柔軟に考えられる様にしておかなければならない。あるいは、問題を柔軟に捉えられる融通性を高めておくことも必要である。そのためには、普段から、経験や知識、通念、エゴ(自我)に依らずに思考できる様に、意識レベルを高めておかなければならない。これは難しい様でいて、実は難しくない。多様性が重視される時代に、相手との違いを受容し、相手の言葉に傾聴し、共感し、自分だったらどうするかを自分の先入観や価値観で思考するのではなく、ゼロベースで思考する習慣をつけておけばよい。もっとも、これですら出来ない人がいることも受容し想定しておかなければならない。

 問題解決は、一人だけの思考、一人だけの力では難しい。社内外でコミュニティを形成し(ゲマインシャフト)、共感と共生による協働によって、事業を通して問題を解決していくことになる。問題解決の方法は、誰かが与えてくれるものではない。自分の基準で解決方法を探して選択しその時点で行動することが求められる(内発的動機づけと自律行動)。

サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役社長 池邊純一

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)