#135 トータルライフサイクルコストバランス 新たな産業構造が財政健全化と社会保障費の負担軽減となる

 ふとした思いつきや単発のアイデアを事業化することは可能である。しかし、それでは社会の発展にはつながらない。社会の発展を願い実現させていくためには、社会システムを進化させること、社会風土を変容させていくことの本質を考えていくことが必要である。そのためには、顧客のニーズを満たすだけでなく、ニーズの目的やニーズが生じる背景、社会に広がっている習慣や文化にも思いを巡らせることが必要になる。

 社会の発展を実現させていくためには、社会システムを進化させる仕組み、社会風土を変容させていく仕組みが、儲かる仕組みとして成立しうるだけでなく、事業として持続的に成長し続け、社会に普及していく仕組みとしても確立されなければならない。そして、そこには、サプライチェーンにせよ、販売チャネルにせよ、関係する事業者がそのビジネスモデルに主体的に取り組んでいくだけの魅力がなければならない。

 社会システムを進化させる仕組み、社会風土を変容させていく仕組み、事業として持続的に成長し続け、社会に普及していく仕組みは、新たな産業構造を花開かせる。この新たな産業構造は、社会の中に新たな生活環境を創造し、そのための基盤(プラットフォーム)となっていく。新たな事業は新たな産業構造を変革する基盤(プラットフォーム)の構築について考えなければならない。

 インクリメンタルなイノベーションを続けているだけでは経済は次第に停滞する。経済の発展はディスラプティブなイノベーションによって実現され、新たな産業構造は経済発展の原動力となる。停滞した経済により悪化した財政を立て直すことができるのは増税ではなく経済成長である。負担感ばかりが大きくのしかかってくる増税は経済状況を悪化させるだけである。少子高齢化社会にあって社会保障費は増加するが、社会保障費の個人への負担を増やすことで財政負担を軽減しようとすると、人々の財布の紐は固くなり、経済状況は悪化してしまう。新たな産業構造を生み出していくことによってのみ、財政健全化と社会保障費の負担軽減を実現することが可能である。

 国の政策、企業の事業計画は、未来における社会システムのビジョン、社会風土のビジョンを描いて、新たな産業構造の創出、新たな基盤(プラットフォーム)の構築、そのためのディスラプティブ・イノベーションを巻き興していく戦略思考が必要である。

サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役社長 池邊純一

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