#132 より良い人生を送るための高いクオリティを生産する社会

 金も、名誉も、地位もいらないなどとは言えない。お金に困った暮らしを送ること、生きるために自分の望まない仕事に追われて日々を過ごすこと、自分や家族が病気に罹って毎日を闘病生活に明け暮れることは辛いことである。より良い人生とは、生きていく上でのそうした苦悩から解放された、もっと余裕のある暮らしができることであろう。

 競争に打ち勝って目標を達成することで一時の満足を得られるだろうし、地位や名誉を得て、贅沢な暮らしができる様になるかもしれない。しかし、競争に明け暮れ、目標達成に明け暮れる人生は、際限がなく心を満たしてはくれない。高いクオリティのある暮らしとは、満ち足りた人生を送るということでもあろう。

 人というのは、より高みを目指して生きていく生き物である。また、自分は何者で、何のために存在して、生きる目的は何なのかといったことに思い悩んで生きていく生き物でもある。競争というよりは切磋琢磨して生きることで自分を磨き、また、目標というよりは生きる目的を求めて生きていくことで自分の限界を乗り越えていく。自分の行いの一つひとつに心を込めて、真心のこもった結果を残していくことで、心は満ち足りていく。さらに、究極の高みを目指して、自己実現(自分の自我)による自己満足ではなく、自分の世界を乗り越えていく。

 より良い人生を送るための高いクオリティのある社会とは、競争社会ではなく、ひとつに心を込めた真心のこもった結果を高く評価して育てていく社会である。そして、より良い人生を送るための高いクオリティを生産するとは、より良い人生を送るための高いクオリティのある社会の実現に供しうる社会基盤(システム、思想、文化)を生み出していくことである。

 より良い人生を送るための高いクオリティを生産する企業は、常に、事業の新陳代謝を生み出し、持続可能な成長を成し遂げていく。

サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役社長 池邊純一

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