#114 人工知能(AI)が進化していく時代の働き方への改革

 未来社会における価値を創造しうる、すなわち、社会の未来を見据えたダイナミックな動きができる組織能力を企業の中に育んでいくことが、これからの日本にとっての喫緊の課題である。
定型的な業務に関しては、これまで進めてきた業務改革に加え、ICTの活用により漸進的に自動化が進んでいく。特に、IoTが普及していけば、人間を介することなく、機械同士が会話して状況に適した処理を行うようになると考えられる。
 電子決済情報、GPS情報、SNSなどのネットワークに流れているデータを組み合わせて用いれば、マーケティングに関わるかなりの部分は精度よく分析することができ、調達/生産/物流/販売の効率化と省人化を行うことができるようになる。
 テキストや音声、図面や画像などのデータからパターンを抽出し学習できるものは、全て機械学習することが可能であり、人間が介することなく処理することができるようになる。例えば、ヒューマノイドロボットは、対人サービスなどの多くを担うことができるようになる。また、人間が嫌がる仕事、危険な仕事などの殆どはロボットに行わせることもできるようになる。
 こうしたことから、これからの社会においては知的、肉体的な仕事の多くは、人工知能(AI)を搭載したロボットが担うことになると予測される。一方、人間が行うべき仕事は何かというと、目的を定めることそのものになる。すなわち、ビジョンを描くのも目的そのものを考えることであり、周囲の環境変化に合わせて最終的な目的の実現のために“現時点では、何をなすべきか”という当面の目的を考えることもその一つである。また、目的の実現のために、社会システムをデザインし、制度を設計することも人間の仕事である。

サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役社長 池邊純一

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