#11 見透せる化 (3)   社会の変化と企業イメージを整合させる

企業イメージは、人それぞれの感じ方にも関わり、一概にこうだと定義できるものではないでしょう。しかし、色々な人が企業イメージをこんな風に捉えているというのを知ることは意味があるのではと思います。そこで本コラムでは、経済産業省の「ブランド価値評価モデル」を参考に企業イメージを考えてみることにします。
経済産業省は「ブランド価値評価モデル」としてブランド価値を構成する要素を類型化し、「企業が求めるブランドイメージの構成要素」「顧客が実際に選好しているブランドイメージ」についてアンケート調査を実施し、その結果を2014年6月に報告書として公開しています。詳しくは、下記サイトを参照して下さい。

“経済産業省 ブランド価値評価研究会報告書 : http://www.meti.go.jp/report/data/g20624aj.html

 

この報告書では、「企業が求めるブランドイメージ」(高い順)と「顧客が実際に選好しているブランドイメージ」として最重要と回答した割合(右側の数字)について提示しています。
1.信頼性 42.7%
2.安全性 8.3%
3.高品質 20.0%
4.機能性 12.3%
5.知名度 4.5%
6.ステータス 0.8%
7.高級感 1.0%
8.耐久性 1.1%
9.不朽性 0.9%
10.ファッション性 2.0%
11.国際性 1.2%
12.先進性 2.8%
13.伝統 0.9%
14.その他 1.5%

 

企業としては、ひとたび事故を起こして安全・安心への信頼が壊れると、その回復には長い時間と多大な努力が必要となるという認識があります。“組織ぐるみ” などという印象を持たれるとなおのことです。この点を考えると上記順位は納得感があります。そしてこの数字は、安全・安心を前提に、顧客が好む品質や機能のイメージに整合させることが必要ということを示していると推察されます。
この「ブランド価値評価モデル」は、かなり抽象化されていますが、大事なことは、企業が実現したいイメージと市場や顧客が好むイメージを、具体的に、どの様に整合させていくべきかです。業種や業界、企業の理念、経営者の想い、働いている人達の想いにより様々と思われますが、漠然としたイメージではなく、上記構成要素に当てはめて
?.「企業が求めるブランドイメージ」と「企業の具体的な取り組み」のと関係や重要性、、および、他の取り組みとの因果性
?.「企業の具体的な取り組み」と「顧客が実際にどんなことを魅力と思い選好しているか」との関係や重要性、、および、他の取り組みとの因果性
?.「企業の具体的な取り組み」と「顧客が実際にどんなことを魅力思い選好しているか」の相関性
について分析することにより、そして様々な視点からの考えを総合して、企業全体としてどのように取り組んでいくか経営戦略を描いていくことになります。

 

当コラムでは “見透せる化” について考えていますが、その目指すところの高みであり原点は、企業が実現したいイメージと市場や顧客が好むイメージを具体的に整合させていくことになるのではと考えています。

サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役 池邊純一

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