#23 見透せる化 (11) 人を中心に据えた思考を実現するリポジトリ

先日のコラム(*1)で「システム中心の思考、成果中心の社会の枠組みでの思考、成果に組み込まれ矛盾をはらんだ顧客中心の思考から脱却し、真の人としての顧客との関係構築、人間中心の思考へと旅だっていかなければならない」と記した。
 
しかし、そのためには、導いていく先のあてもなく、道しるべもなければ、ただ社会の荒波の中に漂ってしまうことになる。そこで、リポジトリが必要となるのだが、リポジトリには 「貯蔵所,倉庫」(研究社 新英和辞典)、「コンピューターで,ソフトウエアの機能や仕様を格納しておくシステム内の小さなデータベース」(三省堂 大辞林)という意味がある。
 
『人を中心に据えた思考を実現するリポジトリ』 は、従来の「機能や使用を格納する貯蔵所」という意味のリポジトリを超えて、また、形式的な体系で表された知識を格納するナレッジデータベースを超えて、人の行動を引き起こす、真に「やりたい」「やらずにいられない」という気持ちに駈り立てる何かを追究し掘り下げる仕組みが組み込まれた、すなわち、新たな状況を認知し、その流れ(コンテクスト)の先に起こりうる様々なことへの仮説(アブダクション)を打ち立て得る自己創生のメカニズムを兼ね備えた “状況に応じてダイナミックな知的思考” の源泉とならなければならない。
 
私が現在構築しつつあるリポジトリは “Repository for Sustainable Innovations ”(サステナブル・イノベーションのためのリポジトリ)であり、 その基本となるコンセプト( ISR:Integrated Smart Repository )は『既存のコンテクストに依拠せず、発想の転換を引き起こすナレッジベースとなること』である。また、この基本コンセプトを実現するために、下記の仕組みを提供する。
 

1. 経営環境の新たな変化やボーダレスなビジネスエコロジーに当意即妙に対応できるように、様々な分野での最新の動き(トレンド)を体系整理し、かつ、これまでの動向をその形成された背景からひも解いて、過去から現在に至る過程を分析しうるものである。
2. 多様な戦略を漏れなく重複なく整理し、その進め方を深掘りすることができる。
3. ?広い視野で社会の未来を見透せる化する様々なテクノロジーとひも付けることで、現在から未来に向けて最適な戦略を適切に選択し展開できるようにする。
4. 様々なナレッジのネットワークをリンク付けし、または、キーワードで検索して結び付けることができる。

プロトタイプモデル Repository_for_Sustainable_Innovations
 

サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役 池邊純一

 

(*1) #22 見透せる化(10) 真のニーズを見つける

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