#7 売上分析のレガシーなテクノロジー

これまで、例えば、ビジネスインテリジェンスといったシステムでは売上を 会計仕訳、販売伝票、レジ情報から把握してきた。

 

企業としての売上高は、連結/単体、地域別/事業別に細分化して把握し、株主等に報告しなければならない。また、業績管理(管理会計)上、売上を顧客層別(更には、顧客別)、商品系列(更には、商品別)、部門別(更には、担当営業者別)等、かなり細分化して、把握する。店舗などでは、店舗形態別、店舗別、フロア別、カテゴリー別といった視点でも把握する。

 

一方、品揃えを考えたり、販売促進を考えたりするためには、売上を色々なアングルから見て分析できるようにしてきた。例えば、品揃えを考えるのであれば、売上を商品別顧客別にクロス集計してどんな商品がどんな顧客に買われているかを分析する。販売促進を考えるのであれば、顧客別商品別にクロス集計してこのお客はこんな商品を買っているといった具合である。また、POS情報でバスケット分析したり、曜日別時間帯別に売れている商品を分析したり、商品別売上傾向(前月比、前週比等)で売れ筋商品を分析したりしていた。

 

更に今では、ビッグデータ時代ということで、カード情報から購買した顧客層を分析したりなどすることが当たり前になっている。売れ筋をタイムーに捉えるという意味では、かつてはテレビなどのメディアで扱った商品を品揃えしたりもしていたが、今では、SNSなどネット上でのトレンドを捉えて品揃えを考えることもできる。売上機会創出という観点から、顧客の位置情報を分析してクーポンなどで店舗への来店を誘導したりすることで販売促進にもつなげることができる。

 

しかし、問題は、担当者や管理者、経営者が、こうしたデータ分析結果を見て何を感じとり、どんなリアクションを打つかである。これまは、この領域は、人間の勘に頼っていたというのが実態であろう。本来、社会の潮流やトレンド、エリア環境やそこに住む住民のライフスタイルや感性も捉えなければならない。今後、この領域が、売上分析のポイントとなってくる。

サステナブル・イノベーションズ株式会社 代表取締役 池邊純一

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